日鉄ステンレス鋼管が半導体工場向け高清浄度鋼管のブランド刷新。新製品も投入
日鉄ステンレス鋼管(本社・東京都千代田区、社長・今野直樹氏)は、「クリーンパイプ」とも呼ばれる半導体工場の配管向け高清浄度鋼管に「NSCP」という新しいブランド名をつけた。国内外の市場で知名度を高める狙いがあり、製法や材質のグレードを分かりやすく顧客に提示する。高度化する半導体製造工程に対応するため、耐食性を向上させた新製品も投入し、新ブランドの下で受注拡大を目指す。 NSCPは「ニッポン・スチール・クリーン・パイプ」の頭文字をとった。旧称の「SUMICLEAN(スミクリーン)」「SUMIWEL(スミウェル)」から切り替え、新ブランドに刷新する。新ブランドは製法・材質別に4シリーズに分けて体系化した。 4シリーズはグレードの高い順に(1)新製品の「NSCP N」(2)「NSCP D」(旧スミクリーンM)(3)「NSCP S」(旧スミクリーンC)(4)「NSCP A」(旧スミウェル)。(1)~(3)は素管に継目無鋼管を、(4)は溶接鋼管を用いる。 最高グレードの「N」は、母材として従来のステンレス(SUS316L)以上に耐食性が高いニッケル基合金を使用。半導体製造に用いる特殊ガスは腐食性が高い。このガスを流す配管向けに拡販を目指す。 既に2024年前半に複数の国内半導体装置メーカーから受注を果たした。半導体の高性能化に伴い特殊ガスの腐食性が強まる傾向にあることから、高耐食性の新製品需要が国内外でさらに増えると同社はみている。 このほかNSCPの「D」は、清浄度を高めるため真空状態での溶解工程を2度繰り返す「ダブルメルト(二重溶解)」の母材を使用。ちりやほこりの侵入が許されない半導体製造に適する特長を持つ。最も汎用性が高い「S」、太径の配管類に適する「A」も含め、一連の商品群を総合提案することで伸びる需要を捕捉する。 同社は12月11~13日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれる半導体関連の見本市「セミコン・ジャパン」に出展し、来場者に新ブランドを披露する。