メカニズムはマカンと共通!新型アウディ「Q6 e-tron」が目指したものとは?
若い人が乗るには決して安くない価格になりそうなQ6 e-tronだが、それはともかく、Q6 e-tronにおける“アウディらしさ”とは、担当者の言葉を借りて説明すると、以下のようになる。 「Effortless:さりげなさ」「Precise:正確さ」それに「Controlled:制御された」。 エフォートレスとは、気象条件によらない運転のしやすさ。プリサイスは、操舵に対するクイックな挙動。そして、コントロールドは、路面をしっかりグリップするボディコントロール、となる。もうひとつのセリングポイントは、バッテリー充電性能。
一充電あたり最大625kmの航続可能距離をもち、270kWの急速充電ステーション(日本にはない)が使え、10%残量の場合、10分間の充電で255kmの走行が可能となるそうだ。 ■長野県の山奥を連想させるルートをドライブ 試乗コースは、ビルバオからサンセバスチャン(の端っこ)まで。最短では70kmほどだが、あえて山岳路なども使い、100kmを優に超える距離を走破した。山道はうっそうとした林の中を行き、道の幅員は狭く、長野県の山奥を連想させる。
2893mmものホイールベースを持つクルマを振り回すには、とても楽しいとは言えないコースだったが、「アウディのDNAにあるドライビング性能の高さを体験してもらうために設定したコース」というのが、前出のシュタインホルスト氏による説明だ。 私が乗ったのは、Q6 e-tronと、さらにパワーが上がりスポーティな味付けが濃くなった「SQ6 e-tron」の2台。 「操縦性を高めるため、5リンク式フロントサスペンションのコントロールアームの位置を変更したことをはじめ、ステアリングラックをフロントサブフレームにボルトで固定し、後輪へのトルク配分を重視した新設定のeクワトロシステムを搭載しています」
シャシー開発を担当したアウディ本社のオズウィン・レーダー氏は、そう語る。サスペンションは、今回乗った上級モデルではフルエアサスペンションとなり、金属バネを使うモデルでも、速度域にかかわらず最適な効果を発揮するダンパーを搭載するという。 ■高い期待に応える走りの良さ Q6 e-tronは、全輪駆動のクワトロと後輪駆動の2本立て。クワトロは最高出力235kWと285kW、2つの仕様がある。後輪駆動は225kWのリアモーター1基の仕様。私が運転したのは285kWのクワトロで、最大トルクはフロントモーターが275Nm、リアモーターが580Nm。