【2024クラブ・オブ・ザ・イヤー受賞クラブ誕生秘話・2/3】『241CB』と『242CB+』をコンボで使いやすいのは構造が違うのに打感が揃うから!
「対して『242CB+』はより幅広い人に使ってもらいたいので、エッジを落とさないラウンドソール。実はこちらのほうがスタンダードだと考えているんです。ヘッドスピードが速くてダウンブローに打ち込めるプロにはリーディングエッジとトレーリングエッジを削ったシャープなソールが好まれますが、アマチュアゴルファーが使いやすいのはラウンドソール。この形状もいくつか作って、プロからのフィードバックで、今のラウンド形状になりました」
1年以上テストを繰り返した結果、たどり着いた形状が生み出す抜けの良さ。これが発売前から異例の早さでプロが続々スイッチした理由のひとつだった。 「結果的に上級者が選んでくれていますが、『242CB+』のほうが、幅広いゴルファーに向いているので、よりオーソドックスに作りました。それを上級者が求めるものにアレンジしたのが『241CB』と言えます」
軟鉄鍛造ならではの軟らかいフィーリング
「やはりステンレスには出せない打感は必要不可欠。そしてゴルフは単純に真っすぐ飛べばいいというスポーツではない。ミスがミスとしてわかるフィーリング、打感にもこだわりました。前作『222CB+』はバックフェース下部を肉厚にして打点の裏側を避けるように2つの穴を開け、その分の重量を低重心化とヘッドの大型化に利用しました。しかし、“打感が軽い”という声があったんです。そこで今回の『242CB+』ではヘッド下部の内部にリブ付きのポケットのような空洞を設けることで、セット間での打感のバラつきをなくしました。4番と5番にはソールにタングステンを埋め込んで低重心化して、やさしさと許容性を持たせながら、よりソリッドな鍛造アイアンらしい『241CB』の打感に近づけたんです。これによって『241CB』と『242CB+』とのコンボセットでも違和感がなくなり、アイアンの上の番手を『242CB+』にしている人も多いんです。 アイアンは長く使うものなので、顔や形状は大きく変えていません。ただ、ネック周りをよりスリムにして、かつ、かぶって見えないように、よりスクエアにアドレスしやすくしました。これもプロからのフィードバックがもとになっています」 両モデルとも8番~PWのロフトを同じにしているのもコンボセットを想定しているから。顔やロフトだけでなく、ホーゼルの長さや重心もできる限り近づけたという。多くのプロが使用しているだけでなく、早くも売り上げで上位に入っているが、軟鉄鍛造のツアーモデルとしては異例のことだ。
「今のゴルファーが求めているモノにマッチしたのだと思っています。前作からブラッシュアップした箇所がブレていなかったことが証明されてホッとしています」 『241CB』と『242CB+』が世に出た今、すでに新しいモデルの開発は始まり、市場の声を聞きながら動き始めているという。2年後には何が変わって、何が変わらないのだろうか? 終わりなき旅は続いていく。
週刊ゴルフダイジェスト