地域の断熱意識アップには地元工務店の協力が不可欠! 学校断熱ワークショップを通じて変化促す 森田材木・千葉県流山市
断熱に関心を持つお客さんが増えてきたと実感
森田さんによると、近年、家を新築したい人から「断熱」というワードはほぼ100%出てくると言います。 「『断熱等級いくつですか?』とか、『充填断熱なのか吹き付け断熱なのか?』と質問されるなど、みなさんかなり勉強されているなと感じます。こうした傾向は2年くらい前からでしょうか。コロナ禍で家で過ごす時間が増えて、住まいの快適性を求める人が増えたことや、省エネ住宅が補助金の対象であることが理由かもしれません」 現在、長期優良住宅の認証を受けるには断熱等級5(「ZEH水準」の断熱性能と同等)が必要。森田材木では最低ラインとして断熱等級5を基準に提案していますが、サッシを断熱性能の高い樹脂製にするだけで等級6が実現できるといいます。ただ、最高レベルの等級7まで上げるにはまだ建材が追いついておらず、ハードルの高さを感じているそうです。
昨年の学校断熱ワークショップを経て、森田さんが大切にしているのは、お客さんに「どうして断熱が必要なのか」を掘り下げて話すようにしたこと。断熱等級5にしたい、6にしたいと言われればつくれるけれど、その家での暮らしやエネルギーのこと、地球環境まで、もっと想像してもらうことが大事だと感じるように。 「実際に高断熱の家を建てて住んでいるお客さんの話、たとえば窓際に温度計を置いておいたら冬場1回も19度を下回らず暖かかったとか、職場は寒いのに家にいるとすごく快適だとか、そういったことを交えて話すとイメージしやすい。単に数字で見るだけでなく、断熱についてきちんと理解した上で、じゃあ等級はこれくらいにしたいなど、お客さんの意識も変わってきたように思います」 それだけ断熱に注目が集まってきているなか、課題もあると森田さん。 「断熱専門の業者ではなく、大工さんが充填断熱をしたり石膏ボードを張ったりするようなケースでは、専門的な施工レベルがまだ追いついていない現状があります。当社は工事管理だけでなく材料の搬送から建築現場での廃材の処理までを自社で行っているため、現場に行く回数が多いのですが、一般的な工務店では現場監督が複数の現場を掛け持ちしているから毎日現場を見るわけじゃない。断熱のように見えない部分がないがしろになっているケースも実際あります。断熱に注力しているとしっかり謳っている会社を選ぶことが大切なのではないでしょうか」
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