地域の断熱意識アップには地元工務店の協力が不可欠! 学校断熱ワークショップを通じて変化促す 森田材木・千葉県流山市
小学校の断熱改修ワークショップを主導
千葉県で初めて行われた学校断熱ワークショップは、流山北小学校でした。開催のきっかけは、「今、全国各地の学校で断熱ワークショップというものが行われているらしい」と森田さんが耳にしたことからでした。 2050年の二酸化炭素排出量実質ゼロに向けて「ゼロカーボンシティ」を表明している流山市役所の担当者も学校断熱に興味を示したことから、住宅断熱の知識と経験を持つ森田さんは、ワークショップ形式での学校断熱改修を提案。「エネルギーを使わずに温暖化を防ぐためには建物の断熱化が不可欠。夏は特に暑さが厳しい学校の教室を断熱化することで、子どもたちに断熱効果を実感してもらい、また市民にも断熱の重要性をアピールできたら」と考えたのです。
断熱ワークショップには、森田材木に加え、市内の工務店2社も参画。資金はクラウドファンディングで調達したところ、当初の目標金額130万円を大きく超える190万円以上が日本全国から集まったといいます。断熱化で学校の暑さ寒さをなんとかしたい、という関心の高さがうかがえる結果となりました。 今回のワークショップは1日限り。「監修をお願いした竹内昌義さんにご指導いただきながら、1日で終われるよう、3社で事前準備をして臨みました」と森田さん。 当日は、学区を超えて、流山市全域から小学校の児童と保護者など計36人が参加。4つのグループに分かれ、最上階の教室の天井と南側の壁に断熱材を入れ、内窓を設置しました。
木製サッシの内窓と杉の羽目板で教室の雰囲気も一変
当初、内窓は樹脂のサッシを予定していましたが、発注から開催日までの2カ月で納品が間に合わないことが判明し、森田材木が木材を用意。木製の窓枠を組み立て、そこにポリカーボネート板をはめ込むという作業を、当日参加者と一緒に行ったそうです。 「金槌などの工具を小学生に持たせるのは注意が必要でしたが、けががないようしっかり気をつけて作業を行いました。子どもたちにとっては初めての工程ばかりだったと思いますが、積極的に取り組んでくれて、最後は楽しかったという声が多くてうれしかったですね。一方、親御さんたちからは、天井の中ってこうなってるんだ、というような構造面に着目した声も聞かれました」と森田さん。 参加者にとって、DIYで自分たちの手でも断熱化できるんだ、と実感できる貴重な体験になったことでしょう。 作業開始前には、講師の竹内さんによる気候変動に関するセミナーも行われ、こちらも大盛況。これから実際に行う学校断熱の作業が、地球環境にどうつながっているのかを学ぶいい機会になったといいます。
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