節約・年金暮らしでも〈体にいいこと出費〉は止められない。酵素風呂に整体、サプリメント…気づけば月3万円に
◆昔から健康に気を遣う家庭だった 子どもの頃を思い返すと、もともとわが家は健康に気を使う家庭だった。体にいいからと、祖父母は毎日自家製の梅干し入り番茶を飲み、母は「病気になりたくなかったら食べなさい」と、毎食酢の物を出していた。 漬物も豆腐も手作りし、「朝食を抜くと、4キロの荷物を背負って歩くのと同じ。時間がないならお茶だけでも飲みなさい。魔除けになるくらい栄養があるんだよ」と、おむすびと濃い緑茶を出してくれた。 そうした記憶があるからか、73歳になった今も緑茶には絶大な信頼をおいている。抹茶は緑茶よりもカテキンが多く、ビタミンCもたっぷり。風邪予防、ひいては胃がん予防にも長寿にも効果があると、何十年か前に聞いてからは、抹茶を愛飲中だ。 しかし、抹茶は緑茶よりも値段が高い。そのうえ抹茶を飲むと和菓子を食べたくなるため、お茶請け代もバカにならなくなってきた。朝だけでなく日に何度も一服しているからなおさらだ。
◆安くて体にいい食材探しに力を入れる日々 私が健康のためにお金を惜しまなくなったのは、会社員だった50歳頃のこと。肩こりからくる眼精疲労に悩まされていた時、テレビで紹介されていた「目にいい」というサプリメントに飛びついたのがきっかけだった。 劇的な変化は感じられなかったが、「せめて半年は様子を見よう」と続けることに。凝り性のうえ、その時の私は〈体にいいこと〉をしている状況に満足感を覚え、ほかのサプリメントも次々と試すようになっていった。 同じ頃、肩こり改善のため通っていた整体院で「眠れない」と相談すると、ローズの香りのアロマオイルを焚くといいと教えてもらった。ホルモンバランスを整え、心身ともに健やかにする効能があるのだとか。 そもそもアロマオイルを焚くには、アロマポットに加え、火を点けるための芯(消耗品)が必要。さらに1ヵ月ちょっとで使い切ってしまうローズのアロマオイルは、1瓶5000円くらいとかなり値段が張る。けれど、病気になるよりましと思い、購入を決めた。 少し深く眠れるようになった気がしたため、アロマ生活も続けることに。しかし2年ほど経ったある日、買ったばかりのアロマオイルをすべてこぼしてしまい、あまりのショックで熱が一気に冷め、やめてしまった。