生産性を下げずにマルチタスクを実現する方法。ヒントは「シェフ」の仕事術にあった
そのタスクに適した「自分」で挑む
マルチタスク成功のもうひとつのポイントは、タスクに取り組む際、どのような自分でいる必要があるのかを考えることです。Rabin氏は、私たちは誰もがつねに、さまざまなバージョンの自分をもっていると言います。 「たとえば職場では、きちんとしたビジネスライクな自分を見せるのではないでしょうか」とRabin氏。 自分のなかにある敏感な部分や傷つきやすい部分は、状況によっては、ビジネスの場で必ずしもいい効果をもたらしません。 また、家族や友人に見せる自分もあるでしょう。それぞれの自分には、それぞれいいところがあります。 どのタスクにどの自分が必要なのかがわかっていれば、場面に応じて自分のパフォーマンスを最適化しやすくなります。 たとえば、数字に集中しなければならないときは、細部まで目を配る生産的な一面が必要です。一方、成績不振の社員を指導するときは、相手の気持ちを理解できる繊細な自分が必要になります。 「別の自分」にすぐに切り替えることはできない、とRabin氏は指摘します。職場での忙しい1日を終えて帰宅し、いきなり一家団欒の時間へと飛び込むことを思い浮かべてみてください。誰でも、違う自分に移行するための時間が必要です。 異なるバージョンの自分が要求されるタスクにも、これと同じ姿勢で臨みましょう。仕事モードから繊細なモードに切り替える際は、体をリラックスさせることをするのがいいと、Rabin氏はすすめています。散歩したり、音楽を聴いたりするのもいいでしょう。 必要な時間とエネルギーに応じて、タスクが重ならないよう調整すれば、生産性を向上させることは可能です。ただし、それには練習が必要だとRabin氏は言っています。 私たちは社会によって、注意をそらすよう訓練されています。注意をそらす練習をすれば、とても上手に注意をそらせるようになります。 逆に、コントロールする練習をすれば、うまくコントロールできるようになります。 このようにRabin氏は語ります。 そのためには努力が必要です。どんなタスクをしているのであれ、それに意識を100%向ける練習をすれば、パフォーマンスや回復を最適化できるようになります。 Originally published by Fast Company [原文] Copyright © 2024 Mansueto Ventures LLC.
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