【10月15日は年金支給日】厚生年金「月額10万円」に満たない人は何パーセントいる?
厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、65歳以上の高齢者世帯の59.0%が「生活が苦しい」と回答しており、昨年度の同調査よりも10ポイント以上も増加しました。 ◆【一覧表】現役時代の年収ごとのモデル年金額を見る(出所:厚生労働省) この数年で生活が苦しいと感じる高齢者世帯が増加している理由として、物価高や円安などの影響により、年金が実質目減りとなっていることが要因の一つとしてあるのでしょう。 老後の収入源の柱となり得る「公的年金」は、現役時の給与と比較するとその額は少なく、中には「年金月額10万円未満」という人も。 では、厚生年金「月額10万円未満」の人は全体の何パーセントを占めているのでしょうか。 本記事では、老後に受け取る年金額の受給割合について紹介していきます。 老後の年金額を増やすための対策についても紹介しているので、あわせて参考にしてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
公的年金の仕組みをおさらい!私が受け取れるのは国民年金?厚生年金?
まずは、日本の公的年金制度の仕組みからおさらいしていきましょう。 老後に受け取れる年金は、現役時の働き方によって変わります。 ・国民年金のみ受給:自営業者・フリーランス・専業主婦など ・国民年金と厚生年金を受給:会社員・公務員など 国民年金と厚生年金は2階建て構造となっており、1階部分にあたる「国民年金」は、日本に住む20~60歳未満の人が原則加入対象です。 つまり、保険料を納めていれば日本に住む人全員が受け取れる年金です。 国民年金の保険料は一律であり、未納なく40年間保険料を納め続けていれば、満額受給ができます。 一方で、2階部分は「厚生年金」となっており、国民年金に上乗せして加入するもので、主に会社員や公務員などが加入対象です。 厚生年金に加入していれば、将来「国民年金」だけでなく「厚生年金」も受給できることになります。 保険料は年収によって変動し、受給額も現役時の加入期間や年収によって変わります。 次章にて、国民年金と厚生年金の平均月額をみていきましょう。 ●「国民年金・厚生年金」の平均月額はいくら? 厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金・厚生年金の平均月額は下記のとおりです。 【国民年金の平均月額】 ・全体の平均月額:5万6316円 ・男性の平均月額:5万8798円 ・女性の平均月額:5万4426円 【厚生年金の平均月額(国民年金を含む)】 ・全体の平均月額:14万3973円 ・男性の平均月額:16万3875円 ・女性の平均月額:10万4878円 国民年金は保険料が一律であることから、受給額に個人差があまり生じておらず、全体・男女ともに平均額は5万円台です。 国民年金の場合は、満額で「6万8000円(2024年度の場合)」となっているため、10万円といった満額以上の年金受給を目指すのは難しいといえます。 一方で、厚生年金は保険料が年収によって変わるため個人差が生じやすく、全体の平均月額は14万円台ですが、男女間では6万円の金額差も。 厚生年金は国民年金に上乗せして受給されることから「受給額が高い」というイメージを持つかもしれませんが、中には厚生年金「月額10万円未満」の人も存在します。 次章では、厚生年金の受給割合を詳しく見ていきましょう。