【10月15日は年金支給日】厚生年金「月額10万円」に満たない人は何パーセントいる?
【年金を増やすための方法】低年金にならないための対策3つ
本章では、老後に受け取る年金を少しでも増やすための対策方法について紹介していきます。 ●厚生年金の加入期間を長くする 前述したように、厚生年金は国民年金に上乗せして受給できますが、厚生年金保険の加入期間が短いと、上乗せ分が少なくなります。 たとえば、「1年間だけ会社員として厚生年金に加入し、その後はフリーランスとして働いていた」といったケースでは、厚生年金の受給額が少なくなることが予想されます。 さらに、厚生年金の保険料は年収に応じて変動し、年収が高ければ、その分受け取れる厚生年金額も増加します。 参考までに、厚生労働省の「これまでの年金部会も踏まえてご議論いただきたい論点」によると、加入期間が40年だった場合のモデル年金例は下記のとおりです。 ・現役時の報酬が54万9000円:年金額18万6104円 ・現役時の報酬が43万9000円:年金額16万2483円 ・現役時の報酬が32万9000円:年金額13万8862円 ・現役時の報酬が37万4000円:年金額14万8617円 ・現役時の報酬が30万円:年金額13万2494円 ・現役時の報酬が22万5000円:年金額11万6370円 ・現役時の報酬が14万2000円:年金額9万8484円 上記をふまえ、高い年収で厚生年金に長く加入し続けることが、老後の年金額を増やす方法と言えるでしょう。 ●国民年金の未納期間がないか確認する 国民年金を満額受給するためには、40年間未納なく保険料を納め続ける必要があります。 40年の間に国民年金の未納期間がある場合、受け取れる年金額が減額されるため注意が必要です。 未納期間がある場合でも、保険料を後から納付(追納)することで年金額を増やすことができるだけでなく、社会保険料控除によって所得税・住民税が軽減されます。 ただし、追納できるのは「追納が承認された月の前10年以内」の免除等期間に限られているため、追納を検討している方はこの点に留意しておきましょう。 ●繰下げ受給を利用する 老後に「繰下げ受給」を利用することも、年金受給額を増やす対策の一つです。 繰下げ受給とは、年金の受給開始年齢を遅らせることで「年金を増額できる制度」です。 本来、年金は原則65歳から受給開始となりますが、繰下げ受給を活用して受給開始年齢を遅らせることで、毎月の年金額を大幅に増やすことが可能です。 たとえば、年金額が10万円だった場合、受給開始を70歳まで繰り下げることで、毎月4万2000円が上乗せされ、「月額14万2000円」となり、大幅な増額が期待できます。 ただし、繰下げ受給期間中は年金受給ができない他、加給年金や振替加算が受け取れなくなるケースもあるため、留意したうえで利用の検討ができると良いでしょう。