新入幕・獅司、上々の滑り出しの2連勝 戦禍のウクライナの家族へ仕送り、初の懸賞もゲット【大相撲九州場所】
◇11日 大相撲九州場所2日目(福岡国際センター) 押し相撲の武将山を右四つに組み止めた。これで万全。新入幕の獅司が寄り切りで勝負を決めて初日から2連勝。上々の滑り出しを切った。 戦禍のウクライナにいる家族へ欠かさず給料の半分を仕送りしている孝行息子。母国にテレビ中継はされていないが「NHKのネットとかユーチューブとかで相撲を見てます」と家族に元気な姿を届けてみせた。 初日の取組が終わって部屋に帰るとすぐに母へ電話をかけた。「『おめでとう、頑張って』と言われた」と獅司。電話口で喜んでくれた母からこんなことも聞かれたそうだ。「これ(懸賞)ないの?」。初日の取組には懸賞がかかっていなかった。 この日は3本の懸賞をゲット。「ほしいって言われたら渡します」と孝行息子はまた笑みを浮かべた。 九州場所は始まったばかり。連勝で『アレ』の話題は早すぎるが、獅司の口癖は『アレ』。使い始めたのは、師匠の雷親方(元小結垣添)の影響だった。 「『アレ』は私が半分冗談で、コミュニケーションを取るために使っていたんです」と師匠。場所前の新入幕会見でも獅司は、「日本語まだ『アレ』なんで」と披露していた。 おかみさんの栄美さんは、「『アレのアレ』になっちゃって、言ってる意味がわからない。『アレのアレ』は禁止」と苦笑いするが、『アレ』で昨年は阪神が優勝し、流行語大賞にもなった縁起のいい言葉。まずは目標の勝ち越しへ、無欲で挑んでいく。
中日スポーツ