Amazon プライムデーの売上高は過去最高の2兆円超に。売上を増やしたブランドたちの戦略とは
家電から消費財(CPG)へ
初期の数字を見ると、Amazonによる今回の夏季の特売イベントが昨年同時期と比べて一部のブランドで売上の増加を促進したことが示唆されている。これは、買い物客が家庭用品や必需品にかかるお金を節約し、同時に新学期のため準備しようと考えたためだと推定される。 ブランコやおむつ替えシートなどのベビー用品を販売しているジュールベビー(Jool Baby)のCEOを務めるジューダ・バーグマン氏は、「ことしのプライムデーの最初の日に、売上が昨年と比べて約20%も増加した」と述べる。「買い物客はこのセールのイベントを利用して、ベビー用品などの必需品を含む標準的な買い物に費やすお金を節約している」と、同氏は言う。 プライムデーは以前から電子機器が飛ぶように売れてきたが、ことしもっとも売れた商品のいくつかは消費財(CPG)だった。 セールの恩恵を受けたブランドのひとつがコラーゲンブランドのオビ(Obvi)で、「Amazonプライムデーの1日目である7月16日には昨年同時期よりも売上が30%も増加した」と、共同創設者でCEOを務めるロナック・シャー氏は語る。Amazonマーケットプレイスでの同氏の商品に対するトラフィックは、昨年のプライムデーより約12%増加したという。 プライムデーにおけるオビの割引は昨年とほぼ同じだったが、「この2日間に同社は広告への投資を倍加し、ブランドの可視性と売上を促進した」とシャー氏は語る。たとえば、昨年Googleやメタ(Meta)などのチャネルにかけた広告費は1日あたり2万ドル(約312万円)だったが、ことしは1日あたり3万ドル(約468万円)に増額したという。 「Amazonは、自社の望む活動の多くに関与した商品に報いるのだと思う。そして、当社はまさにそのような活動を行っている。常に『Amazonのアフィリエイトリンクを使わないか?』や『Amazonのアフィリエイトプログラムを使わないか?』と言われる。Amazonは、ほかの場所からトラフィックをAmazonに呼び寄せてほしいと考えている」と、シャー氏は述べている。また、同ブランドがAmazonのために製造した独占商品も売上が増加した理由だと、シャー氏は述べる。たとえば、同ブランドが提供している綿あめや、コーヒーを混ぜたコラーゲン商品などのいくつかのフレーバーはAmazonでしか売られていない。