ワークマンの大ヒット商品「リペアテック洗えるフュージョンダウンフーディー」の秘密を開発担当者に徹底取材
長年のワークウエア開発で培われた機能性の高さと、圧倒的な低価格で、アパレル業界に旋風を巻き起こしているワークマン。特に、2020年秋冬に初めて登場した「リペアテック洗えるフュージョンダウンフーディー」(以下、「フュージョンダウンフーディー」)は、3,900円という驚きの価格だったこともあり、発売前から大きな話題を集めた。 今回、ワークマン製品開発第1部のチーフバイヤーである川田真之輔さんに、ワークマンの公式アンバサダーで、「フュージョンダウンフーディー」の共同開発者でもある山田耕史が開発秘話を聞いた。
ワークマンのダウンジャケットが生まれた理由
山田耕史(以下、山田): 「フュージョンダウンフーディー」が発売されるまで、ワークマンのアイテムラインナップにダウンジャケットがなかったのはなぜですか? 川田真之輔(以下、川田): 以前からダウンジャケットを作りたいと思っていましたが、洗濯には向かないという弱点がありました。また、ダウンジャケットは生地に穴が開くと羽毛が吹き出してしまい、危険です。汚れや生地の損傷が多い現場の職人さんには、着てもらうことが難しいアイテムでした。 山田: その弱点を克服することが、商品化に繋がったんですね。 川田: ダウンに発熱中わたをミックスすると、保温性をキープしつつ、洗濯が可能になるという手法を見つけたことで、開発が大きく前進しました。また、針の突き刺し穴を自己修復して吹き出しを抑える「リペアテック」という技術を施すことで、ワークシーンでの危険性を低減させることを実現しました。
開発者イチオシの機能
山田: 「フュージョンダウンフーディー」には発熱中わたや「リペアテック」以外にも多彩な機能が盛り込まれていますが、開発者としてイチオシの機能はありますか? 川田: 挙げだすとキリがないのですが(笑)。保温性を高めるために、背面裏地にブラックアルミプリントを採用しています。
川田: 以前のアルミプリントはシルバーでしたが、現場の作業服としてのイメージが強く、着用者が限定されていました。それをブラックにすることで、普段着やアウトドアシーンにも取り入れやすくなりました。