ドジャースが重視するのは「オプショナリティ」のある打線 首脳陣が満足する25年の陣容とは
ロサンゼルスタイムズ紙のドジャース担当ジャック・ハリス記者が、生え抜きのギャビン・ラックス内野手を放出したことにより、ドジャースが最も重視する「オプショナリティ」(柔軟性)のあるラインナップを組めると分析している。 ラックスが残っていれば、ドジャースのラインアップはある程度、固定化されているように見えた。ラックスとムーキー・ベッツが二塁と遊撃のセンターラインを担い、フレディ・フリーマンとマックス・マンシーがコーナーの内野を守る。そして、マイケル・コンフォート、トミー・エドマン、テオスカー・ヘルナンデスが外野3ポジションを固める。 しかし韓国からキム・へソン内野手を獲得し、ラックスをトレードしたことで変わった。開幕日には、フリーマンとマンシーが引き続きコーナーの内野を守り、ヘルナンデスとコンフォートが右と左の外野に入る。そのうえで、センターラインに関しては、ドジャースはさまざまな組み合わせを試し、最大限の生産性を追求できる。 例えばベッツは遊撃で継続的に起用することで、守備面で成長することが期待されている。しかしそれが実現しなくても、二塁に彼をスライドさせるというシンプルなプランに切り替えることが可能。その間、キムは少なくとも右投手相手の試合で二塁を守り、遊撃が必要になった場合、そこにも対応できる。 エドマンはセンターで毎日プレーするのではなく内野での出場機会が増える。2年目のアンディ・パヘス外野手は左投手相手の試合でより多くの打席を得る。同様に、ミゲル・ロハスやクリス・テイラーにとっても出場機会が増える。 危惧されるのはラックスの打撃力をどう補うか。ラックスは24年の後半戦で打率.304、OPS.899を記録した。そのためシーズン開幕までにさらに補強をする可能性もあり、FAのエンリケ・ヘルナンデスとの再契約も現実味を帯びている。 それでも、首脳陣は現状に満足している。長年にわたり、ドジャースは多才な選手や選択肢を多く持つことの価値を強調してきた。ラックスを放出することで、より流動的で柔軟なラインアップを作り上げ、ピースを自在に組み替えられるようになっている。