セルフレジ導入が進むアメリカ…それでも「爆発的」には広がりそうにない理由 利用者の67%が不満
近頃日本でも、レジの会計作業を客自らが行う「セルフレジ」が大型スーパーや商業施設で広がりを見せている。セルフレジ機導入のメリットは、レジ待ちの行列解消や感染症対策のほか、店側にとっては人件費削減や業務の効率化などがある。 【写真】東芝が開発した最新式のセルフレジ ほか セルフレジは日本語では無人レジとも呼ばれているものだが、実際にはセルフレジ機のエラー対策や、アルコール購入で年齢確認が必要なため、担当スタッフが必要なのが現状で、アメリカでも完全な無人化には至っていない。
全米で広がるセルフレジ
スーパーにおけるセルフサービスという観点では、アメリカで客自らが作業をするセルフサービスの概念が生まれたのは、CNNによると20世紀初頭とされている。それまでは店員がカウンター越しに接客し、店員が動き回って商品をピックアップするスタイルが主流だった。そんな中、スーパーのPiggly Wiggly(ピグリーウィグリー)は商品の低価格化のため、店員の代わりに客自身が店内を動き回り棚から自分で商品をピックアップして運びレジで会計する、つまり現在の買い物スタイルを採用した。そしてさらなる省人化のため、初期のセルフレジ機が世に現れたのは半世紀以上経った1986年。初期の頃は客が商品をスキャンしてベルコトンベアーに乗せ、店員が流れてきた商品を袋につめ、客は会計所に移動して支払うシステムだったようだ。 日本でセルフレジを初導入したのは日本経済新聞によると2003年、MaxValu (マックスバリュ)だった。アメリカではすでにその頃にはセルフレジがより広範囲に広がっていた。2000年代初頭以降、大手小売り店は検証を重ね、セルフレジ機が大型チェーンや商業施設、ドラッグストアなどで少しずつ拡大。近年はさらに導入店が増え、大手の小売店ではだいたいどこでも設置されている。そしてコロナ禍のパンデミックが後押しし、利用者が急増した。 今では、セルフレジのみの店もあるほどだ。大手小売チェーンのWalmart (ウォルマート)、Kroger (クローガー)、Dollar General (ダラー・ゼネラル)はセルフレジのみの店舗を試験的に導入。Costco(コストコ)とAlbertsons (アルバートソンズ)は、数年前に廃止したセルフレジを復活させるなどの動きもある。