深刻化する“ごみ問題”の最前線…最終処分場が20年ほどで限界に
今回のテーマは、「シン・ごみ戦争」。ごみの処理には全国で2兆円もの税金が投入されているが、処理費用以上に深刻な問題が迫っていた。日本各地の最終処分場が平均23年ほどで限界を迎え、ごみが行き場を失うとされているのだ。 プラスチックの分別に動き出した自治体では、収集作業が増える中、人手不足に悩んでいた。そこで、ごみ収集の効率化によって問題を解決しようと立ち上がった鉄道会社を追う。 また、日本以上にごみ問題が深刻なのが、急激な経済成長の真っ最中にある東南アジアだ。「スモーキーマウンテン」に代表される“ごみ山”が各地に点在したフィリピンでは、日本の資源リサイクル業者が、問題解決に挑んでいた。日本とは違う環境の中、“捨てたらごみ、使えば資源”をモットーに奮闘する最前線に密着した。 【動画】深刻化する“ごみ問題”の最前線…最終処分場が20年ほどで限界に
鉄道会社が仕掛ける「ごみ問題」解決の秘策…「清掃員不足」に挑む!
2年前、「プラスチック資源循環促進法(プラ新法)」が施行され、全国の自治体に分別回収の努力義務が課せられることになった。回収の対象となるのは、食品トレーやプラマークのついたプラスチック製品などだ。 東京・大田区では一昨年から順次プラ分別を始め、収集日を1日増やした。現在3分の1のエリアで実施しているが、分別が徹底されていないことも。その場合は清掃員がごみに注意喚起のシールを貼り、置いていくことになるため、彼らの負担は増えていた。
その大田区では来年4月、プラごみ回収を区内全域に拡大しようと計画していた。しかし、人手不足が慢性化している中、限られた人員で効率よく、プラスチックの収集を実現しなくてはならないという課題が。 そこで頼ったのが、私鉄大手・小田急電鉄だ。鉄道が本業の小田急にとって、実はごみは切実な問題だという。列車や沿線で展開する商業施設やホテルからは多くのごみを排出しているからだ。
そこで小田急は、新たにごみの収集・運搬のサポートをする「WOOMS(ウームス)プロジェクト」を立ち上げた。総勢30人のメンバーの多くは鉄道事業の経験者。リーダーの正木弾さんは、「(鉄道は)一般の方たちには気付かれないインフラを守る仕事なんですよね。収集の仕事もそういった仕事」と話す。