深刻化する“ごみ問題”の最前線…最終処分場が20年ほどで限界に
この日、正木さんたちは、大田区役所からごみの収集を委託されている「櫻商会」(東京・大田区)を訪れた。収集の現場では、これまで配布される地図などはアナログな紙がベースだったが、櫻商会では、去年12月から正木さんたちが開発したごみ収集を支援するアプリ「WOOMS」を導入。各車両にタブレット端末を搭載し、作業や運搬の効率化を図っている。
区の収集エリアが拡大すれば、その分、ごみの量が増える…。課題を探ることが、今回の正木さんたちの目的だ。大田区の中でも特に道路が狭いエリアを回る収集車の後を追うと、ある集積所では大量の発泡スチロールが捨てられていた。ごみの量は日によってまちまちで予測不能。開始5分で、荷台の大半が埋まってしまった。
収集車を追いかける正木さんがタブレットをチェックしていると、画面上の集積所マークが未収集の“オレンジ”から収集完了の“緑”に変わった。これは「WOOMS」が自動で集積所を検知し、ごみの取り残しを防止する機能だ。
開始から1時間すると、担当ルートの半分ほどで荷台が満杯になってしまった。軽トラックの積載量が少ないためだ。こうなると、一度リサイクル工場に行き、プラごみを下ろしてから再び回収に出なければならない。往復が増えれば、その分、業務の負担も増えてしまうのだ。
1週間後、正木さんたちは再び櫻商会を訪れ、2台の収集車に協力してもらい、あることを試そうとしていた。この日も収集を始めると2台の軽トラックはすぐに満杯になった。 一度リサイクル工場でごみを下ろし、2回目の収集に向かうと、正木さんが予想していた事態が発生する。車によって回収率に差が生まれていたのだ。 そこで、正木さんは、WOOMSの“ある機能”を使うことを提案する。果たして問題を解決することはできるのか?
ごみを宝に…生ごみを肥料に変える技術で、日本と世界を救う!
栃木・益子町。イチゴの生産量が日本一の栃木の中でも、益子町はイチゴ栽培が盛んな地域。その益子町で人気のイチゴ狩り農園「マシコストロベリーファーム」。この農園のこだわりは有機肥料にある。しかも、その有機肥料は益子町の家庭から出た生ごみが原料だという。 実は益子町、10年前から生ごみの堆肥化を町ぐるみで進めていて、生ごみだけを週2回、分別回収している。強制ではないものの、いまでは住民約2万人のうち半数近くが協力。