短気を抑えたDeNA・ケイ 強力ソフトバンク打線を七回無失点
◇ソフトバンク―DeNA(30日・みずほペイペイドーム) 来日1年目のパワーピッチャーが初の日本シリーズで踏ん張った。DeNAの先発・ケイが強力ソフトバンク打線を相手に七回まで無失点に抑えた。短気が玉にきずで、この日もやや興奮する場面はあったが耐え抜いた。 【写真で見る】日本シリーズ第4戦 ソフトバンク-DeNA 課題の序盤をうまく乗り切ると、最大のピンチは1―0の六回1死一、二塁。ソフトバンクの栗原陵矢を低めのスライダーで一ゴロに打ち取り、二、三塁となったが、続く4番・山川穂高をチェンジアップで中飛に抑えた。ソフトバンクの本拠地・みずほペイペイドームには、ファンの無念の声が響いた。 ケイは最速150キロ台半ばの強い速球を軸に、カットボールやチェンジアップを操る。長所である適度な球の荒れは相手打者を打ちづらくする。ただ、時にエキサイトしすぎる欠点がある。 本人も以前、ジョーク交じりに「ここまでの私のマウンド上の素行を見たらわかると思うけど、平常心を保って自分なりの投球をすることに尽きる」と話したことがある。それでも、若い時に比べれば「自分を信用できるようになった」と精神面は成長している。 この日も、五回の先頭の近藤健介の打席でワンバウンドした球を投げた際には、一回転しながらいらだった様子を見せた。だが、冷静さを取り戻して近藤を空振り三振に仕留めた。「気迫では負けない姿を見せることができた」と振り返った。 「キャッチャーとのコミュニケーションを大事にして投球することができました」と言うように、シーズンの集大成のこの時期に心も充実してきた。試合を作るという意味では十分な投球だった。【荻野公一】