〈睡眠クイズ〉「靴下を履いて寝る」睡眠の質を上げる?下げる?睡眠コーチ・角谷リョウさんの回答は
「冷え性がひどくて、靴下を履かないと眠れない」という方がいます。眠るために靴下を履く、という対策は、睡眠という観点では正解なのでしょうか?睡眠コーチ・角谷リョウさんが回答! 【写真】〈睡眠クイズ〉「靴下を履いて寝る」睡眠の質を上げる?下げる? ■靴下を履いて寝ると睡眠の質が下がる 「足先が冷えて眠れない」「冷え性だから靴下を履いて寝る」という方がいます。靴下を履いて寝るという行為は、そもそも冷え性の改善になっていないんです。なぜかというと、靴下を履いて寝ると、放熱ができず血流も悪くなるから。どんどん冷え性が進行しますし、結果的に睡眠の質も下がります。 ■冷え性改善のために何をするか では、冷え性を改善するためにどうすれば良いのか。冷え性の改善策として、まずお風呂に入って血流を良くした上で、冷える前に寝ること。これが前提であり、重要です。お風呂に入って血流を良くしないとそもそも冷え性は良くならないですし、「冷える前に寝る」ということをしていくと、靴下を履かなくても眠れるようになります。 それでも靴下を履かないと…という方にお勧めしたいのは、もし2枚ばきをしているという方なら、1枚に減らすこと。それから、指先部分をカットした靴下を履くという方法です。例えば100円ショップで売られている靴下を買ってきて、指先から徐々に切っていき、最終的に靴下なしで寝られるように、段階的に慣らしていく方法です。 こうしたことを続けていくうちに、冬でも靴下なしで寝られるようになり、冷え性が少しずつ改善していきます。 ■「足首から先」「手首から先」の部分が出ていることが重要 靴下を履いて寝るのは冷え性を加速させ、睡眠の質を低下するというなら、半袖や短パンといった丈の短いパジャマを着て眠るほうが良さそうに感じますが、実はこれは逆で、睡眠の質が下がる可能性があります。なぜなら手首や足首から熱が逃げてしまうから。むしろ夏でも長袖・長ズボンの方が睡眠の質はよくなります。指先や足の指先と言ったように「足首より先」「手首より先」が出ていることが重要で、指先や足の指先が出ていれば放熱されるため、問題ありません。 ■教えてくれたのは…角谷リョウさん 1970年、名古屋生まれ。上級睡眠健康指導士。 NTTドコモ、サイバーエージェント、損保ジャパンなど160社以上、15万人以上のビジネスパーソンの睡眠改善をサポートしてきた実績あり。 認知行動療法や心理学をベースにした独自の睡眠改善メソッドによるサポートは評価が高く、講義・サポート依頼が殺到。 また、経営者1,000人以上の睡眠改善を通じて得た経験を活かし、現在は経営者特化型のサポートも実施中。 著書『働くあなたの睡眠術』は台湾・中国・韓国で翻訳出版されるなど、ベストセラーとなっている。 「人は、強制されても生活や行動は変わらない」をモットーに、楽しくみずから自分を変えたくなるようなサポートを追求している。LIFREE 株式会社共同創業者。著書に『働くあなたの快眠地図』(フォレスト出版)、『働く50代の快眠法則』(フォレスト出版)がある。2024年9月にYouTubeチャンネル「睡眠先生リョウ【仕事に超役立つ睡眠術】」を開設。
ヨガジャーナルオンライン編集部