【エッセイ】初めてのセックスが素晴らしかったと言える女性は、どれだけいるだろう?
私の激情と恥を目撃したが…
初めて出会ったときのことを、私たちは話した。 それは高校を卒業した後の夏のことで、彼と恋に落ちたのは、いま私たちがいるシーアイル・シティの海岸沿いでのことだ。私の家族は当時、チャコール・ハウス(炭の家)というピザ屋を経営していて、その夏に崩れ落ちることを思えばぴったりの名前である。 両親と私たち4人のティーンエイジャーは、レストランの隣にある、ベッドルームが一室あるだけのアパートで眠っていた。父が隣のベッドでいびきをかくなか、姉妹とダブルベッドで寝ていたのだから、恋に落ちるには理想的な状況とは言えない。 ジョニーは隣のブロックの豪邸(当時の私にはそう見えた)に住む、かっこよくてリッチな男の子だった。チーズステーキを作り続ける12時間のシフトを終えると、私はいつもビーチへ行くために彼の家の前を通った。そしてある日、本に夢中なまま砂に足をとられて、彼にぶつかった。 彼は背が高く、茶髪で青い目を持つ映画スターのような笑顔を浮かべる人だけど、その内面はもっと美しい。最初の出会いからすぐ、私たちは切っても切れないような関係になる。 母はその夏に余命5ヵ月と宣告され、それでも店が成り立つようなんとか働きながら、化学療法のためにフィラデルフィアまで通いはじめた。父がさらに道を踏み外し、酔っ払っては仕上がりの悪いピザを見ては暴れていたのもまた、その時期だ。
Maria Bello