「親知らず」抜歯のリスクや対処法はご存じですか? 口腔外科専門医が“抜歯の不安と疑問”を解決!
親知らずの抜歯後の日常生活への影響と注意点
編集部: 親知らずを抜歯する日は、仕事や学校を休んだ方がいいのでしょうか? 小川先生: 特に休暇をとる必要はありませんが、抜歯後は激しい運動や疲れが出るようなことを控えるようにしてください。また、個人差はありますが、親知らずを抜いた後は1週間ほど痛みや腫れが出ることがあります。その点も踏まえて、スケジュール調整をおこなっていただきたいと思います。 編集部: 親知らずの抜歯後、日常生活においてどのような点に注意が必要でしょうか? 小川先生: 抜歯後は、激しい運動や熱いお風呂を避け、安静に過ごしてください。また、飲酒や喫煙も極力控えた方がいいでしょう。食事については、抜いた側で硬いものを噛むのはしばらく控え、消化に良いものを摂るようにしてください。加えて、抜歯後に処方された薬(抗菌剤・消炎鎮痛剤)を歯科医の指示通りに服用することも重要です。特に抗菌剤は症状の有無にかかわらず、必ず最後まで飲みきるようにしましょう。 編集部: 親知らずを抜歯した後、歯磨きなどセルフケアはどのようにおこなえばいいですか? 小川先生: 術後数日は、抜歯した部分を避けて優しく歯磨きをおこない、うがいも控えめにしてください。また、殺菌成分や消炎作用のあるうがい薬を併用すると、術後の感染による腫れや痛みを予防できます。抜歯後1週間ほど経ち、痛みや腫れがなければ通常の歯磨きに戻して問題ありません。 編集部: 抜歯後に痛みや腫れが出た場合、症状を和らげる方法があれば教えてください。 小川先生: 痛みが出たら処方された鎮痛剤を服用し、できるだけ体を休めるように心がけてください。腫れが強い場合は、患部を冷やすと症状が和らぎます。ただし、冷やしすぎるとかえって治りが悪くなるため、氷や保冷剤などで急激に冷やすのは控えましょう。冷やす場合は冷たいタオルやハンカチを当てるか、冷却ジェルシート(貼付型冷却剤)を貼ってください。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 小川先生: 親知らずの抜歯は、日本人の半数以上が経験する一般的な治療です。もし、抜歯について何か不安な点があれば、1人で抱え込まず、口腔外科専門の歯科医に相談することをおすすめします。専門医が患者さんの状態を丁寧に診察し、最適な治療法を提案してくれるでしょう。