長生きになると話題の「ノルウェー式4×4運動」ってどんな運動?
どのくらいの頻度でやるべき?
発案者のNTNUでは4×4運動を週2回行ない、それに加えて「中程度の運動しか行なわない、長めの有酸素運動セッション」を1回行なうことを勧めています。 さらに1週間に4回以上運動する人の場合、インターバル運動は週全体の回数の半分以下に抑えるべきだとしています。 それでも2~4回は別のタイプのエクササイズをするとして、週2回は4×4運動ができる計算です。
目標にすべき心拍数のレベルは?
これは引っかけ問題です! ノルウェー式4×4運動は、心拍数ゾーンベース(最大心拍数に対する割合で設定される5つのゾーンで運動強度を表示する方法)の運動ではありません。 ただし、心拍数の計測機能のあるトラッカーやスマートウォッチを使っている場合は、以下の数字を目安にしてください。 強度の高い運動をしている4分間のうち、終わりにかけての2~3分間:確認済みの最大心拍数の85~95% ウォーミングアップ、リカバリー、クールダウンの時間帯:最大心拍数の60~70% この「最大心拍数の85~95%」というレベルは、一般的な5段階の心拍ゾーンでは、ゾーン4および5に相当します。 リカバリー時の心拍数は、こちらもスマートウォッチなどの設定によりますが、ゾーン1および(または)2にまで下がるはずです(私がこれまで繰り返し説明してきたように、心拍ゾーンの設定は、デバイスによって異なります)。 心拍数を目標レベルとして使う場合には、あなた自身の実際の最大心拍数を確実に把握しておいてください。 デバイスを信用して、計算値で済ませるのは禁物です。人間の体は1人ひとり違います。 デフォルトの数式を使うと、10拍あるいはそれ以上のズレが生じることもざらにあります。 この運動を提案しているNTNUでは、少し内容を変えた4×4運動の別バージョンを使って、自分の心拍数の限界をテストするよう勧めています。 このバージョンでは、上に書いたのと同じ手順ではじめますが、3回目の高強度の運動をするタイミングが来たら、全速力で走ってください。 この運動の際にスマートウォッチに表示された最高の心拍数が、あなたの最大心拍数として使うべき数値となります。 これは「心拍ゾーン5」運動なの? 強度の高い運動をしている4分の間に、おそらく心拍ゾーン5に達するでしょう。 そういう意味では答えは「イエス」です。 しかし、この運動でもっとも大切なことは、ゾーン5に達することではなく、指示されたメニューに従うことです。 これは「VO2max系運動」なの? これはまさに典型的なVO2max系インターバルトレーニングです。 とはいえ、最大酸素摂取量を増やす方法は、これ以外にもいろいろあります。 心肺機能を鍛えて、良い状態に持っていくには、幅広いトレーニングが必要です。 この運動よりも時間をかけて行なう、ゆっくりとしたワークアウトや、長さや強度をさまざまに変えたインターバル運動も必要でしょう。 これらの運動すべてが、最終的に最大酸素摂取量の上昇につながりますし、さらに良いことに全体的な心肺機能も向上します。 「VO2max系運動」というコンセプトは、そもそもアスリート向けのトレーニングから生まれたものです。 この場合、コーチはランニングのパフォーマンスに関する多様な側面を考慮してシーズンをとおして異なるタイプのワークアウトをスケジューリングし、担当するアスリートの長所を伸ばし、短所を補うよう務めます。 「VO2max系」と呼ばれるインターバルトレーニングは、このプロセスの一部です。 この運動が支持されてきたのには、別の論理的裏付けもあります。 心臓の健康状態や長寿を専門分野とする研究者は、安定的で繰り返し検証が可能な健康状態の指標として、最大酸素摂取量に目をつけました。 心肺機能が高い人は、より健康で、長生きする傾向があります。 ゆえに、最大酸素摂取量は健康とリンクしているのというのは、正しい主張です。ただし、体の状態に関するそのほかの指標を差し置いて、最大酸素摂取量を高めるべきだ、ということではありません。 要するに、体の状態を向上させることがさらなる健康につながる、という理屈。体を鍛えれば、確かに最大酸素摂取量が向上しますが、これはいわば副効用と言うべきものです。