今振り返る、優勝につながった「2017年のラブレターズ」
「ラブレターズの若手期は終わりました」
──ラブレターズのお二人は、26歳で初めて『キングオブコント』決勝に進出していることもあって、「若手」の時期が長いし、「ネクストブレイク」と言われ続けてきた印象があります。さきほどおっしゃった「おじさん」への切り替えはどのように? 塚本:たしか2020年前後頃、大竹涼太社長から言われたんです。「ラブレターズの若手期は終わりました」と。 溜口:そう、はっきり宣告されました。 塚本:「二人は今、中堅の中の若手ゾーンに入っていると思いますよ」と言ってもらったのが自分たちとしてもいちばんしっくり来て。若手時代にやるような仕事をやったうえで第七世代の裏に入って溺れかけて、「これどう頑張っても無理だ」と思っていた時に、「いやいや、若手として頑張る時代はもう終わりで、ここからは中堅の仲間入りをする時期に入っているから、そこを意識したらどうですか」と言ってもらった。それがすごく救いになって、ネタも自由になっていった感覚はあります。 溜口:若手ヅラしなくなったよね。若手に混じって「僕らもいますよ」という顔をしていたけど、もう肌質からぜんぜん違ったし(笑)。いかんせん身長が低いのもあって、いまだに現場によってはやっぱり超若手として扱ってくださるところもあるので、難しい面はあるんですが。 ──なるほど。そんな時期を経て昨年、7年ぶりの決勝を経験したあとのこの1年間はどんな気持ちでしたか? 塚本:とにかくそれまでがしんどかったので、久々の決勝で「耐えた!」「これでもうちょい続けられるか」という気持ちにはなりました。しかも自信のあるコントが2本揃ってるから、「もうこれ優勝するしかなくない?」という気持ちはむしろ昨年のほうが強かった。 溜口:ファイナリストになると、結果によって仮押さえのスケジュールがどんどんバラされていくんです。でも去年は「7年ぶりの決勝」という話題性があったからか、順位は振るわなかったものの、その後のスケジュールがそこそこ残っていたし、仕事での反応も悪くなかったんですよ。これまで一緒に仕事をしていた人たちが「呼ぶ理由がほしかった」と言ってくれて、いろんな番組に呼んでもらえて。今までよりひとつステージを上げて観てもらえるようになったのかなという感覚がありました。 ──いい状態で1年間を過ごせた。 溜口:昨年、久々の決勝に行けた段階では「息継ぎできた」と思ったんですよ。でも決勝に行っても毎回年末の『M-1グランプリ』で印象が塗り替えられてしまっていたのが、今回は年が明けてもファイナリスト需要が続いていた感覚があって……。息継ぎという感覚がなくなって、これまでよりもかなり健康でいられた感覚はありました。 ●ラブレターズ >>溜口佑太朗、塚本直毅からなるコンビ。日本大学藝術学部在学中に出会う。2008年、アマチュアとして第1回の『キングオブコント』に挑戦し、2009年4月に正式にコンビ結成。『キングオブコント』には2011年から5回決勝に進出し、2024年優勝。『ラブレターズの階段腰掛け男』がオフィシャルYouTubeチャンネルおよびSpotifyにて配信中。2025年2月から3月にかけて単独ライブ『40』を開催。12月10日(火)まで2次プレオーダーが行われている。12月21日(土)よりチケット一般販売開始。 Photo_Hiromi Kurokawa Text_Fumie Tsuruki
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