松井一郎・大阪府知事に聞く(全文1)人口減・企業を呼ぶ新産業の柱“観光”
昨秋公表された国勢調査の結果から、日本が人口減少局面に入ったことが明らかになりました。このうち3大都市圏のなかでは真っ先に大阪府でも人口減少が始まったことがわかっています。 かつてない規模と速さで進む人口減少を、自治体の首長はどのようにとらえ、どのようなビジョンで舵取りしていくのか ── 。大阪府の松井一郎知事に、人口減少時代の大都市がどのように都市機能や持続可能な社会を維持していくのか、そのために取り組んでいる施策や課題、国への提言などを尋ねました。(2017年3月取材)
企業を呼び込み、都市としての力を弱らせない
── きょうは、どうぞよろしくお願いします。 よろしくお願いします。 ── 昨秋の国勢調査結果公表で、いよいよ大阪府が人口減少の局面に入ったことが注目されました。まずは、大阪府の人口減少を、どのように知事が見ているか話をお願いします。 人口減少は二つありまして、社会人口減少という、要は、東京一極集中でそちらへ人口が流れていくというのが一つと、これは、日本の大きな課題ですが、少子化によって日本全体の人口が減少していく。 日本の少子化による人口減少は、施策を集中し、さまざまなことをやって、どこかの時点では人口が増えていく形をつくらなければならないと思いますが、これは時間がかかります。 やはり晩婚化とか、昔のように子どもをたくさんつくろうというような時代とは違うというところもある。だから、少子化による人口減少というのは、これから国・地方自治体がみんな集まって、いかに子育てをしやすい日本をつくっていくか、というところになると思いますが、なかなかこれは一朝一夕でやれることではない。 都市部において社会人口が減っていく、減少していくということになると、都市としての力は弱まっていきます。だからわれわれは今、大阪府において、社会人口をいかに増やしていくか。 要は、働く場所をどうつくっていくか。その働く場所をつくるということは企業を呼び込んでくる、そういう都市として持つポテンシャルをいかに引き上げて、人が集まって活力のある都市をつくっていくか。今さまざまな取り組みを進めているところです。