松井一郎・大阪府知事に聞く(全文1)人口減・企業を呼ぶ新産業の柱“観光”
製造業はどの分野を柱に据えるのかということで、健康・長寿、こういう分野の新しいものを生み出していこうと、今さまざまな研究機関を誘致し、そして、それを発表する場として、2025年万博を大阪に誘致しようというところで、世界にメッセージを出せる場所をつくっていこう、という取り組みもやっています。これが目の前の社会人口減、都市としての活性化の、目の前の課題に対して、われわれがやっている処方箋。 もう一つは、将来に向けて、人材を育成していくというのが非常に重要で、これは教育の環境を充実させることです。例えば大阪では、高校は私学も実質無償です、公立高校だけではなくて。今、全国で完全無償にできているのは大阪だけです。(2017年3月取材時) それと、これから国際化社会に向けて語学力教育、特に英語力を子どもたちに身に付けてもらわなければ。これから子どもたちが社会で活躍するために、相手は世界ですから、そういう子どもたちが自分のスキルを高めて、世界で活躍できる人材になるように、英語教育というものにも非常に力を入れて今やっているところです。 【メモ】 ・「2025年大阪万博」誘致……半世紀ぶりに再び大阪で国際博覧会を開こうと2015年「国際博覧会大阪誘致構想検討会」を設置。2016年6月からは、有識者や経済界の代表らによる2025年万博基本構想検討会議を設置。「人類の健康・長寿への挑戦」をテーマに、大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)をメイン会場にして開催を検討している。 ・「大阪府の授業料無償化制度」……国公立高校と同様に、私立の高校や高等専修学校も、自由に選択できる機会を保障するため、国の高等学校等就学支援金に上乗せして、大阪府が私立高等学校等授業料支援補助金を交付。私立高校等の授業料が無償となるよう支援している。2016年度以降は、年収590万円未満世帯の授業料負担が実質無償、年収590万円以上800万円未満世帯は授業料負担年20万円で、府内の私立高校に3人以上通わせている世帯に対しては、さらに支援を手厚くしている。