深津絵里さん、牧瀬里穂さん…一世風靡したCM「エクスプレス」シリーズ、いくつ知ってますか? JR東海がコロナ禍を経て訴える「会う」ことの価値
シンデレラ・エクスプレス、クリスマス・エクスプレスの時代は、スマホはおろか、携帯電話やネットも普及していない。そこから30年がたち、SNSやリモート会議が普及するなど、めまぐるしく社会が変わった。それでもやはり会うのが一番。その価値は、当時も今も変わらない。 佐治さん自身、実体験として会うことの価値をかみしめる機会があったという。奈良県の観光PR「いざいざ奈良」の企画で現地を訪れた際、県庁やバス会社の担当者との打ち合わせが終わった直後のこと。「ラッピングができたら面白いよね」。出席者がぽつりとつぶやいた。当初の打ち合わせの議題にはなかったが、一気に盛り上がり、バスのラッピング広告が決まったという。 佐治さんは確信している。 「オンラインの打ち合わせでは実現しなかった。ネット情報や電話、写真だけではなく、現地に行くことで地元の人たちの思いも実感できる」 ▽幅広い作品とテーマ JR東海がこれまで手がけたエクスプレス・キャンペーンは多種多様で、一つ一つにキャッチコピーやテーマが付けられている。「シンデレラ」の次が「クリスマス」ではなく、その間にいくつものエクスプレスシリーズもあったことを覚えている方は多くないかもしれない。最後にできるだけ紹介したい。
シンデレラに続く第2弾は「アリスのエクスプレス」。1987年に登場し、横山めぐみさんや星野はつえさんが起用された。コピーは「距離に負けるな、好奇心」で、副題は「新幹線は時速220キロで走ります」 第3弾は1988年から展開された「プレイバックエクスプレス」。屋敷かおりさんを起用し、テーマは学生時代の思い出をプレイバックさせるメッセージを込めた「同級生の再会」とした。 第4弾が「ハックルベリーエクスプレス」。88、89、90年と続いた。ハックルベリーはマーク・トウェインの作品の主人公でもある、トム・ソーヤの親友。テーマは「ちびっ子の冒険心と、おじいちゃん、おばあちゃんとの再会」だった。 そして深津さんが初めて登場したのが「ホームタウン・エクスプレス」のクリスマス編。「ココロがちょっと疲れたら、キミの町へ帰ろう。」をテーマに、「思い立ったらいつでも帰ろう」と呼びかけた。 クリスマスシリーズの2作目が「クリスマス・エクスプレス」。89年に牧瀬さん、90年に高橋里奈さん、91年に溝淵美保さん、そして92年に吉本多香美さんが起用された。ヒロイン役として出演したことで一躍脚光を浴びた牧瀬さんは当時高校2年生だった。