五輪銅メダル「ワタガシ」、「シダマツ」ら日本が世界を迎え撃つ | バドミントン ワールドツアー ジャパンオープン 2024 プレビュー
奈良岡を筆頭にロス五輪世代が台頭狙う
男子シングルスは、パリ五輪に出場した西本拳太(ジェイテクト)が五輪2連覇のビクター・アクセルセン(デンマーク)と初戦で激突するカードとなったが、アクセルセンはSNSで欠場を示唆している。世界ランク8位の奈良岡功大(NTT東日本)は、23歳。28年ロス五輪のメダル候補への飛躍が期待されている。初出場となったパリ五輪は16強で敗れたが、大会後は身体を休める選手が多い中で「グダグダしていても。負けたし、次に行こうかなという感じです」と現地で練習を再開。五輪が近付いていたため、負傷のリスクがあるウエイトトレーニングは避けていたが「今年、来年は失敗しても(ロス五輪のレースは)その次からなので、失敗してもいいからやってみようかなと。色々、挑戦していきたいなと思っている」と肉体強化にも着手する構えで進化を図る。
また、25歳の渡邉航貴(BIPROGY)、大林拓真(トナミ運輸)、24歳の田中湧士(NTT東日本)といった面々もロス五輪を目指しており、誰が次の日本A代表入りをアピールするかも注目点となる。
男子ダブルスの日本ペアは2組のみ、どこまで戦えるか
男子ダブルスは、日本からのエントリーが、パリ五輪に出場したエースの保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)と、28年ロス五輪を目指す岡村洋輝/三橋健也(BIPROGY)の2組しかいないのが寂しいところだが、上位進出を期待したい。パリ五輪の上位勢では、銀メダルの王昶/梁偉鏗(ワン・チャン/リャン・ウェイカン=中国)が出場。五輪2連覇を果たした台湾の王齊麟(ワン・チーリン)は、21歳の若手・邱相機(チュウ・シャンチ)にパートナーを変えてエントリーしている。
いずれの種目も新旧勢力が入り乱れる大会だ。パリ五輪からロス五輪へ、時代が変わりゆく初動で何が起きるのか。誰が輝きを放つのか。今後の行方を楽しむためにも、ぜひ会場へ足を運び、世界の速さ、躍動感、日本選手の健闘ぶりを味わってもらいたい。
文:平野貴也
平野 貴也