“町の喫茶店”が減少の一途をたどる中、スタバ・コメダ・ドトールの「大手3チェーン」が店舗拡大を続けるワケ
コメダ珈琲店:経営効率とくつろぎの演出
コメダ珈琲店は1968年創業で、コメダホールディングスが傘下に持つ4社の連結子会社のひとつであるコメダ株式会社が運営している。2016年6月29日に東証プライム、名証プレミアに上場した店舗数・売上に関して日本最大級のフルサービス型喫茶店チェーンである。 お客様のくつろぎにこだわった店づくり・独自製法と材料にこだわった自社製造商品・独自のFC運営システムなどといった強みにより、外食市場における独自のポジションを確立し、FC加盟店を中心に、全国でフルサービス型喫茶店の運営している。 総店舗数1046店舗(2024年7月現在)を展開しているが、直営店舗は28店舗のみだ。エリアフランチャイジーに運営を委託し、フランチャイザーとして加盟店指導に徹して、食材卸などを収益の柱としている。コーヒーの提供方法を工夫し、モーニングやランチの調理手順の効率化を徹底している。そういった工夫により、厨房スペースを縮小し、営業スペースにその分を広く配分している。これらで、経営効率の向上とくつろぎの演出との両立性が確保されている。
パンも原則、自社製造
コメダ珈琲店の業績は売上432億円、営業利益87億円、営業利益率20.2%(2024年2月期)の高収益状況で、自己資本比率も41.9%と財務も安定している。今年度(2025年2月期)に入っても売上(FC向け卸売売上)3月115.4%→4月112.8%→ 5月100.4%→6月117.8%→7月102.1%と順調に前年を上回っている。 モーニングメニューやランチメニューなどフードメニューの充実さも話題であり、郊外型店の週末は常に朝から駐車場は満車状態である。パンも原則、自社製造だ。コメダ珈琲店は、お店が自宅のリビングルームの延長線上のように元気や英気を養い誰もがくつろげる「街のリビングルーム」を目的に運営されている。 だから、単に体を休めるだけでなく、心まで安らげる、くつろぎの提供に向け、おいしさ・おもてなし・居心地に、徹底的にこだわった店であり、それらが圧倒的な集客力になっているようだ。