リーファープラグ、整備促進へ国の支援を。ユニットロード検討会、技術開発・検証も
12日の国土交通省の「次世代高規格ユニットロードターミナル検討会」で、「リーファープラグの整備促進に向けた国の支援への期待」などを盛り込んだ取りまとめが行われた。また、ターミナルでのカメラ撮影による入退場管理システムなどの技術開発、検証を2024年度に実施する方針も確認した。今後、国交省は貨物動向などを精査し、必要に応じてこの取りまとめに反映していく。併せて予算措置などを通じ個別施策の具現化を図る。 同検討会は内航フェリー・RORO船ターミナルの機能強化をテーマとする。4回目となった今会合では、昨年6月の中間取りまとめ以降の議論を踏まえて、事務局を務める国交省が取りまとめ案を提示。内航フェリー、RORO船事業者らを中心とする委員に諮り、了承を得た。 取りまとめでは次世代高規格ユニットロードターミナル形成に向けた施策の方向性を提示。ハード面に関するものでは、「船型大型化などに対応した岸壁などの港湾施設の整備推進(拡張・集約化を含む)」「モーダルシフト輸送需要を踏まえたシャーシ・コンテナ置き場、小口貨物積み替え施設、リーファープラグの整備促進」などを盛り込んだ。リーファープラグの整備促進に関しては、国による支援制度を期待する旨も明記。農産品の円滑な流通につなげる意向を示した。 ソフト面ではシャーシ・コンテナの入退場・位置管理などを行うターミナル管理システムの開発・効果検証などを挙げた。 防災対応の取り組みとして、円滑な緊急物資輸送の実現に向け「係留に必要な情報をサイバーポート上で閲覧できるよう必要な機能改修を行う」ことも記載した。 ■他港への横展開 取りまとめとは別にターミナルの管理システム構築に向けた検討も行い、技術開発とその効果検証を24年度に実施することを確認した。 技術開発は昨年4月以降の10事業者・45ターミナルへのヒアリング結果などを踏まえて実施する。具体的にはカメラ撮影による入退管理・車両損傷確認・位置管理を可能とするシステムを開発する。 実証するターミナルは未定。ただ、他港への横展開を見据えた技術検証が可能▽技術検証に係る費用を抑えることが可能▽技術検証参加者の理解が得られ、スムーズな実施が可能―などの要件を満たすものが想定されるようだ。 検証事項は各機能の正確な読み取り・記録・出力の有無、天候や昼夜など環境条件による読み取り精度やエラーの発生頻度、エラー低減・精度向上の方法やエラー発生時の対応方策など。 加えて導入効果として、シャーシ滞留時間の削減など、ヤード利用の効率性も計測・分析する。 ■モーダルシフト試算 そのほか、国交省が4月からのトラックドライバーの労働時間規制強化を踏まえた今後10年間の海上輸送動向の試算結果も公表した。政府目標「内航(フェリー・RORO船など)の輸送量・輸送分担率を今後10年程度で倍増」の達成に向けて「海上輸送量の増加量の地域別・品目別の内訳が、24年度までに不足する300キロメートル以上のトラック輸送量の地域別・品目別の割合と同等」との仮定で試算。内航へのモーダルシフトの地域別の規模が近畿―九州で814万トン、関東―近畿で806万トン、九州―中国で555万トンなどと予想した。 関連
日本海事新聞社