過去最悪のインフル流行危機!医師が考える“最重要”な感染対策
「例年、日本でのインフルエンザの流行のピークは1~2月です。インフルエンザは北半球と南半球で流行シーズンが異なるため、人の移動により感染症が通年で広がるリスクが高まっています。海外からの旅行者が増加することで、国内へのウイルスの持ち込みが増え、感染拡大に拍車をかけている可能性があります」 日本各地の観光地は海外からの旅行者であふれているが、年末年始にかけては国内での人の移動も大幅に増える。 「仮に、インフルエンザの流行のピークが年末年始に重なった場合、予想もしないパンデミックが起こるかもしれません」 インフルエンザがもっとも広まったのは’19年1月末、1週間で約222万人が感染したというデータがある。 「3つの感染症の同時流行によって、それ以上の、過去に例を見ない感染爆発につながる可能性があるのです」 日本の人口の5~6人に1人がインフルエンザにかかるような状況さえ想定されるというのだ。すると、家庭内での“感染の連鎖”も懸念される。 「たとえば、子どもさんなど、家族の誰かが持ち帰ってきたウイルスによる家庭内での感染連鎖を引き起こす可能性があります。特に注意すべきことには、一つの感染症から回復しかけた免疫力が低下した状態で別の感染症にかかる感染ドミノです」 2つ以上の同時感染、さらには3つの感染症に“トリプル感染”することもありえるという。 「特に高齢者や、糖尿病など基礎疾患をもつ人、免疫力の低下している人には、感染すると重症化のリスクをもたらすだけでなく、複数ウイルスの同時感染も考えられます。 基礎体力が低下している人にとっては合併症により肺炎が重症化すれば命に関わることもあるので特に注意が必要です」 感染症予防の基本は、コロナ禍で私たちが実践していた、手洗い、うがい、マスク着用、咳エチケット、換気などの徹底だという。五藤先生は、特にマスクの重要性を訴える。 「不織布マスクやサージカルマスクは飛沫感染を効果的に防ぐことがアメリカの研究でも証明されています。マスクを正しく使うことで感染リスクを下げるだけでなく、感染拡大を防ぐことにもつながるのです。そして、しっかりと睡眠、休息をとり、栄養バランスのとれた食事で免疫力を高めておきましょう。体調がすぐれないときは早めにきちんと休むことも大切です」 一人ひとりの心がけが、感染症の拡大を少しでも抑えることにつながる。家族や自分自身を感染のリスクから遠ざけるために、日々の生活をいま一度見直してみよう。
「女性自身」2024年12月10日号