【横浜市の意外な顔】近代化の舞台「鶴見区」に存在した、2つの歴史的事実とは《秘蔵写真付き》
海外・国内旅行ガイドブックの決定版『地球の歩き方』から、今回紹介する記事は「【横浜市の意外な顔】近代化の舞台『鶴見区』に存在した、2つの歴史的事実とは」です。横浜市を深掘りする『地球の歩き方 横浜市』の執筆者が、同書で書ききれなかった日本近代化の歴史的舞台となった現・鶴見区の「花月園」と「生麦事件」のストーリーを紹介します。(写真・文/ケイタブラジル KTa☆brasil、写真資料協力/鶴見歴史の会、監修/地球の歩き方) 【横浜】鶴見区の歴史的「秘蔵写真」を見る ● 横浜市民ならずとも興味深い、鶴見の国際的な歴史と文化 歴史の教科書でもおなじみ「生麦事件」で知られる旧東海道沿いの横浜市鶴見区の生麦(現:岸谷)。ここで私は産湯に浸かり、近所の歴史ある杉山神社でお宮参りをさせていただいた。 歩いて数分の距離にある「旧:三笠園(現:岸谷公園)」の名残であるプールで生まれて初めて泳いだが、そこが皇族の朝香宮鳩彦王も訪れ、オリンピック予選も行われた日本近代水泳発祥の地だったとは子供の頃は思いもよらなかった。そのすぐ横には故アントニオ猪木さんの生家があった事も、大人になり猪木家と奇遇にも関わる事になってから知った。
● 近代日本最先端の現場だった「花月園」 旧三笠園から歩いて数分の距離には「花月園」という名の競輪場があった(2010年閉場、現鶴見花月園公園)。 ここはもともと、大正デモクラシー全盛期に、パリの郊外にあった児童遊園地をモデルに、「1914(大正3)年に開園した、日本で最初の児童遊園地である。大山すべり、大つり橋、豆汽車、観覧車、飛行船塔など、当時の最新式の珍しい遊具やスリル満点の施設を次々に―(さらに動物園も作り)、子どもたちを狂喜させた。園内に特設された野外劇場では、二代目市川猿之助の野外劇や1915(大正4)年にドイツ留学から帰国間もない山田耕筰指揮の演奏会、1917(大正6)年には現代舞踊の創始者石井漠の創作舞踊詩の上演など、革新的な文化創造の一翼を担っていた……(引用抜粋)」と、現在の鶴見花月園公園案内板にも記されている。