Xの決済機能「Xマネー」リークで明らかになったマスクの野望、暗号資産に追い風か
X(旧ツイッター)のリンダ・ヤッカリーノCEOは1月1日、決済機能の「X Money(Xマネー)」を含む複数の新機能が、2025年に同社のプラットフォームに追加されることを確認し、「心の準備をするように」と人々に呼びかけた。 Xマネーは、ビットコインや暗号資産分野に大きな変化をもたらすことが期待されているが、テクノロジー業界のインフルエンサーのアレックス・フィンは、この機能の公開が間近に迫っていると3日のXの投稿で主張した。 「新たなXのコードが公開され、Xの決済機能が全米50州すべての承認を得る前にローンチされることが判明した。つまりXのこの機能は、今すぐにも始動する可能性がある」と彼は述べていた。 イーロン・マスクは、2022年10月にツイッターを買収してXに改名して以来、このアプリを中国のWeChatのようなスーパーアプリに変えることを目指し、米国の各州で送金事業者のライセンスを取得してきた。ニュースサイトMacRumorsの寄稿者、アーロン・ペリスも3日に行なったXの投稿で「Xは全米50州の承認を得る前に、米国でXマネーをローンチする計画のようだ」と述べ、それを示唆するコードのスクリーンショットを共有している。 Xマネーの立ち上げが確実になったことで、Xがビットコインやドルに連動するステーブルコインなどの暗号資産を採用する可能性をめぐる憶測が高まっている。シリコンバレーの投資家チャマス・パリハピティヤは先日、マスクの宇宙企業のスペースXが、為替リスクをヘッジするためにステーブルコインのテザー(USDT)を用いていると述べていた。 「Xペイメントは、何らかのかたちで暗号資産をサポートするだろう。暗号資産は、この決済ツールの主要な基盤になるはずだ」とフィンはXの投稿で予測している。 ビットコインや暗号資産がXに採用されれば、PayPal(ペイパル)がビットコインと暗号資産をサポートしたことが一因となった、2021年のビットコインの強気相場が再び訪れると予想する声が上がっている。 マスクは最近、ビットコインや暗号資産についての直接的なコメントを控えているが、彼が昨年11月の米大統領選に向けて暗号資産に前向きなスタンスをとると予想されるトランプ次期大統領を支持したことは、ビットコインの価格を押し上げる一因となっていた。 マスクはまた、20日に発足する第2次トランプ政権で米政府効率化省(DOGE)のトップに就任する予定だが、この機関の名前は、彼のお気に入りの暗号資産であるドージコインを連想させるものでもある。マスクが率いるテスラは、ドージコインを決済手段として受け入れており、約10億ドル(約1580億円)相当のビットコインをバランスシート上に保有している。
Billy Bambrough