煮物にラップはフワッとかける?ペタッとかける?有識者のアドバイスは
フワッとかけて、縁はぴったりとくっつける
「サランラップ」の販売元「旭化成ホームプロダクツ」(東京)マーケティング部の髙橋弘樹さんに、おすすめのラップの使い方について聞きました。 髙橋さんによると、煮物の場合は、トピ主さんが言うように、ラップを皿にフワッとかけつつ、皿の縁にはピタッと包むのがおすすめ。 「煮物の汁とラップの間に空気の層ができるので、乾燥しやすい状態にはなりますが、食べるときに電子レンジで温め直せば、食品から出た蒸気がラップの中に充満していくので、乾燥は気にならなくなります。電子レンジで加熱する際は、ラップが煮汁や食品にぴったりとくっついた状態だと、食品が温まった時に蒸気の力でラップが裂ける可能性があります。ラップをふんわりさせておくと、そういったトラブルを防げます」と髙橋さんは説明します。 また、生肉が余った時の保存方法については、「肉をトレーから取り出してラップに包んで冷蔵もしくは冷凍するのがおすすめです。生肉は空気に触れると乾燥したり酸化したりしやすくなりますが、ラップでぴったりと包むことでそれを防ぐことができます。また、冷凍保存する際は、使う分を小分けにしてラップに包み、冷凍用食品保存袋に入れておくと、鮮度が長くキープできます」とアドバイスします。 髙橋さんによると、煮物や生肉のほかにも、ラップの使い方を間違えやすい食品があります。「油分が多いコロッケや天ぷらなどを電子レンジで加熱する際には、コツがあります。直接ラップに包んで電子レンジで加熱すると、ラップの耐熱温度を超えてしまい、ラップが破れたり溶けたりする可能性があります。そのため、深めの皿に入れて、食品に触れないようにラップをかけて加熱してください」
ラップは、メーカーによって素材や特徴が異なるので、購入する時はパッケージの表記を確認しましょう。「『ポリ塩化ビニリデン製』は密着性が高く、酸素、水分、においを通しにくいといったバリア性にも優れています。食品保存に適していて、電子レンジ加熱にも安心して使えるのでおすすめです」 ラップは食品のおいしさを保つだけでなく、活用の仕方によっては意外な効果をもたらすといいます。「断水の際に、お皿にラップを敷くことで水洗いが不要になります。ラップをくしゃくしゃにすれば、スポンジ代わりにもなるので、非常時におすすめです。また、ラップや食品保存袋、保存容器などを使用して食材を冷凍ストックしておくことで、忙しい毎日にゆとりを持つことを『冷凍貯金』と呼んでいますが、調理時間の短縮や食費の節約にもつながります」と髙橋さんは話しています。 (読売新聞メディア局 長縄由実)