韓国野党代表「ハン大統領権限代行、憲法裁判官の任命を拒否するなら、それも内乱」
野党「共に民主党」のイ・ジェミョン代表は20日、糧穀管理法などに対するハン・ドクス大統領権限代行の再議要求権(拒否権)行使について、「尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の国会の立法権を無視するかたちが、ハン代行体制でも繰り返されている」として、「民意に従って内乱特検法を迅速に公布せよ」と述べた。 イ代表はこの日の同党の最高委員会議で、「残念ながらハン・ドクス大統領権限代行が拒否権を乱発している」として、上のように述べた。ハン代行は19日、野党の主導で本会議で可決された糧穀管理法案(コメ価暴落時の財政による超過生産量の買い取り義務)▽農水産物の流通および価格安定法改正案(基準価格未満へと農産物価格が下落した際に差額の一定比率を支給)▽農漁業災害対策法改正案(国と地方自治体が災害前の生産費を補助)▽農漁業災害保険法改正案(自然災害の被害による保険料率の割増禁止)▽国会法改正案(予算案の自動付議制度の廃止)▽国会証言鑑定法改正案(国会同行命令対象の証人を「国政監査・審査」から「重要な案件の審査や聴聞会」へと拡大)に再議を要求した。 イ代表はこれについて、「政府による三権分立の棄損が続いており、実に遺憾だ」として、「大統領の憲法および戒厳法違反に対する国民の意思はいつにも増して厳しい。ハン権限代行には、これ以上国民の気持ちを裏切らないでもらいたい」と述べた。同氏はまた、ハン代行が内乱常設特検の特検推薦を依頼しなければならないにもかかわらず6日間も留保していることに対しても、「事実上拒否するもの」だとして、「国会が憲法裁判官を推薦したにもかかわらず任命しないことを検討すると言っているが、まさか事実ではないと信じたい。(任命しないなら)内乱への同調ではなく、それ自体が内乱行為だ」と指摘した。 民主党は、いつでもハン代行の弾劾手続きに着手できるよう、弾劾訴追案の草案をすでに作成している。キム・ミンソク首席最高委員は最高委員会議で、「クリスマス(25日)前に(ハン代行を弾劾するかどうかが)決まるだろう」と予告した。 イ代表は与党に対しても、「与党(国民の力)の態度は奇怪だ。戒厳解除に反対し、弾劾に反対し、捜査を妨害している」とし、「国民の恐ろしさを知らず、いまだに内乱への同調に余念のない与党は目を覚ませ」と批判した。そして「内乱の徹底した真相究明と尹大統領の迅速な罷免手続きに協力すべきだ。それが尹大統領を輩出した与党が国民に示すべき最小限の道理だ」と述べた。 政府に対しては、早期の追加補正予算案の編成を求めた。同氏は「成長の下方圧力がはっきりとしてきて、経済当局はようやく補正予算を主張しはじめた」として、「遅くなったが幸い」だと述べた。韓国銀行のイ・チャンヨン総裁が景気浮揚に向けた補正予算の必要性に言及したことを受けての発言だ。イ代表は「国難に比肩するこの非常事態に迅速な、そして非常な対策が絶対に立てられなければならない。政府には国民の暮らしを直視し、今すぐ補正予算の編成に取り組んでもらいたい。与党も補正予算の編成に協力せよ」と述べた。 オム・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )