【JRA賞】年度代表馬を受賞したドウデュース その偉大な足跡と今後に集まる生産界の大きな期待
年度代表馬に輝いたドウデュースは、牡馬としては初めて、2歳時から4年連続でのGⅠ制覇を達成した。挫折と復活のドラマで多くの感動を呼んだものの、4歳時(2023年)まで3シーズンのキャリアにおいてJRA賞を受賞したのは、3戦3勝(新馬→アイビーS→GⅠ朝日杯FS)とパーフェクトな成績を残した最優秀2歳牡馬のみ。やや意外な感がある。 天皇賞・秋→ジャパンCと王道を連勝した5歳秋のパフォーマンスは、まさにキャリアの集大成といえる、まばゆい輝きを放った。満票で受賞した最優秀4歳以上牡馬、さらに年度代表馬に輝いたドウデュースはまさに2024年の中央競馬の主役として躍動したといえよう。 惜しむらくはラストラン→当日引退式を予定していたGⅠ有馬記念をレース前々日の午後3時に右前肢跛行のため取り消したこと。史上5頭目の連覇、そしてテイエムオペラオー、ゼンノロブロイに続く秋古馬GⅠ3連勝の偉業は霧散してしまった。 23年度の年度代表馬イクイノックスが総票数295票に対して293票と〝ほぼ満票〟だったのに対して、今回の得票数は総票数256に対して236票。パーセンテージでは劣るが、有馬で有終Vなら数字は大きく変わったであろうし、また票数が同馬の価値を左右するものでもない。 今春からは北海道の社台スタリオンステーションで種牡馬入りし、第2の馬生が始まる。種付け料は初年度としては高額な1000万円に設定されたが、その発表翌日には満口となった。すでに生産界からは、現役時以上の熱い注目を浴びている。天皇賞・秋のレース後記者会見で友道調教師が「引退後を考えると2000メートルのGⅠを勝ちたかった」と語ったようにマイル、中距離、クラシックディスタンスで頂点を極めた事実が、サイアーとしての価値を大きく高めたことは間違いない。
山河 浩