EU・韓国、安保協力に署名 共同声明で北朝鮮のロシア派兵を非難
[ソウル 4日 ロイター] - 韓国と欧州連合(EU)は4日、北朝鮮によるロシアに対する兵器供給を非難し、北朝鮮に対しロシアに派遣した部隊の撤退を求める共同声明を発表した。 韓国を訪問した欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表(外相)はこの日、同国と初の戦略対話を行った。ウクライナ侵攻を続けるロシアに北朝鮮が軍部隊を派遣したことでEUと韓国が安全保障で協力する必要が明らかになったと指摘した。 ボレル氏と韓国の趙兌烈外相は共同声明で「北朝鮮からロシアへの違法な武器移転がウクライナ攻撃に使用されている」と非難。「違法な軍事協力」の即時停止と部隊の撤退を求めた。 EUと韓国はまた、サイバーセキュリティなど15分野に及ぶ「安全保障・防衛パートナーシップ」に署名した。 ボレル氏は趙氏との会談に先立ち、北朝鮮のロシアへの派兵について「残念ながら、われわれの共通の安全保障課題の重要性を示している」と述べた。 韓国国防省によると、ボレル氏は金龍顕国防相とも会談し事態に懸念を表明した。 同氏はXに「ロシアのウクライナ侵攻は、存在そのものに対する脅威だ」と述べ、「韓国はそれを最もよく理解できる立場にある。われわれはウクライナへの支援で一致団結している。私は彼らに支援を強化するよう促した」とした。 <安全保障・防衛協力> ボレル氏は日本を訪問後、韓国に到着し南北軍事境界線を挟む非武装地帯(DMZ)を訪れた。3日にXに「平和のためにもっと投資する必要性を改めて思い知らされた」と投稿した。 別の投稿では、EUと韓国の安全保障・防衛協力を「次の段階」に引き上げるために韓国を訪問しているとした。詳細には触れなかった。 韓国は主要な武器生産国だが、これまで一部西側諸国やウクライナの致死性武器提供要請に応じず地雷除去装置などの援助にとどめていた。しかし北朝鮮の関与という事態になり、趙外相は先週、ウクライナに武器を供与する可能性を問う質問に、可能性がある全てのシナリオを検討中と答えた。 北朝鮮の崔善姫外相は1日、ロシアのラブロフ外相とモスクワで会談し、対ウクライナ戦争で勝利するまでロシアを支持すると述べた。