カイロス2号機の打ち上げ失敗、スペースワンは「再挑戦を目指す」…想定の飛行経路が大幅にそれる
宇宙関連の新興企業「スペースワン」(東京)の小型ロケット「カイロス」2号機の打ち上げ失敗について、同社は18日、想定の飛行経路が大幅にずれたため、発射約3分後に「飛行中断措置」を行ったと発表した。第1段エンジンの燃焼ノズルに異常が生じ、機体の姿勢が乱れたという。ロケットは第2段エンジンの燃焼中、機体を自律的に破壊するシステムが作動して爆破されたとしている。
今年3月に続き、2回連続の打ち上げ失敗となり、同日午後から記者会見した豊田正和社長は「ミッションが最後まで達成できず、おわび申し上げる」と陳謝。「一刻も早く原因を究明し、次の挑戦に臨みたい。スペースワンは失速することなく、まい進したい」と述べ、3回目の打ち上げを目指す考えを示した。
同社の説明によると、機体の飛行中断措置が行われたのは、高度約100キロ・メートル以上の上空とみられる。カイロスは固体燃料を燃やして推進力を得るロケット。計画では、発射から約53分後に高度約500キロ・メートルの宇宙空間に達し、衛星を順次切り離すことになっていた。
2号機には、民間企業や台湾の宇宙機関などの小型人工衛星5基が搭載されていた。衛星の軌道投入に成功すれば、民間企業のロケットでは国内初となり、注目されていた。
初号機は今年3月13日に打ち上げられたが、約5秒後に爆発。燃料やエンジンに問題はなく、ロケットの推進力の設定に問題があったことがわかり、2号機では設定を見直す対策を講じていた。