「資本主義に惑わされて生きてきた過去に見切りをつけて…」歌手・南こうせつが実践した「70歳からできる身仕舞い」
累計188万部の大人気シリーズ『おとなの週刊現代』が大幅リニューアル!週刊現代で大反響だった記事の中から、相続や在宅介護など、「死後の手続きと生前準備」にまつわる記事を、加筆のうえ、ピックアップ。 【マンガ】「長者番付1位」になった「会社員」の「スゴすぎる投資術」の全容 〈第1部 知らないと損する死後の手続きの新常識〉、〈第2部 今日から始める生前準備のすべて〉、〈第3部 身の回りの整理整頓。人生の最期を考える〉の三部構成からなる『おとなの週刊現代 2024 vol.4 死後の手続きと生前準備』 (講談社MOOK) より一部抜粋・再編集して、人生の最期で失敗しないためのノウハウをお届けする。 『名刺に写真、人間関係も「捨てる」という選択を…片付けのプロが教える人生最期の「大掃除」法』より続く 南こうせつ、林望、菊田あや子 「私の身仕舞い」体験記
米国のロックスターにあこがれた家
「70歳のとき、人生の大掃除をしました。多くの物を手放すことによって身軽になり、本当の自分の道が足元に見えてきたように感じます。 思えば、僕自身も物やカネの価値を絶対視する資本主義に惑わされて生きてきたのかもしれません。しかし、物やカネに縛られずに生きるようになったことで、肉体も元気になってきました。そんなにいっぱい薬を飲まなくても済むようになるはずです」 こう話すのは歌手の南こうせつさん(75歳)。大分県の国東半島に住んでいるが、古希を前に人生を見直したと語る。 「30歳くらいのころ、米ロサンゼルスに大豪邸を建てて住んでいるロックスターたちのような感覚で、大きな家を作ったんです。居間だけで50畳くらいあり、テラスは東京の一軒家ほどの広さで、ジャグジーもあった。家の前にはテニスコート。米国のロックスターに負けたくない、とがんばったんです(笑)。そこで子供を3人育てました。 しかし、子供たちも大きくなり、独立する。夫婦2人で広い家を維持するのは大変だと思い悩むようになりました。60歳を過ぎたころから、体力的にテニスもできなくなっていましたし」