長期金利が1%に上昇、10年入札警戒-所定内給与増加重し
(ブルームバーグ): 7日の債券相場は下落。長期金利は約3カ月ぶりに1%に乗せた。米国大統領選挙でのトランプ氏勝利を受けて財政への懸念から米長期金利が大幅上昇した流れを引き継いだ。この日の10年国債入札に対する警戒感や所定内給与の増加が続いたことも相場の重し。
岡三証券の長谷川直也チーフ債券ストラテジストは、「実質賃金が若干マイナスだったのがややネガティブだが、所定内給与がしっかりなので基本的に金融正常化路線に沿った内容と言える」と指摘。
10年債入札については「調整して迎えたいということで売りが出ている。利回り1%では無難に消化できると思うが、賃金の伸び方に対して日銀の植田和男総裁が10月会合後の会見で物価目標と整合的との見方を示しているので利上げが意識される中では、入札後も上値が重そうだ」と述べた。
厚生労働省が7日発表した毎月勤労統計調査(速報)によると、所定内給与は前年同月比2.6%増と前月(2.4%増)から加速した。実質賃金は0.1%減と2カ月連続で前年を下回ったものの、マイナス幅は前月から縮小した。所定内給与の増加が続いたことで、日銀金融正常化に沿った内容との見方から債券相場の重しになっている。
10年債入札
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Hidenori Yamanaka