堀江貴文氏「だから団塊ジュニアは出世ができない」 未来予測は不可能だが、たった1つわかると断言できること
■成功する人がもっと成功する仕組み ――では、その数式を使って、次の未来予測についても説明していただけますか。「成功する奴はどんどん成功する」というものです 西成:これは簡単な話です。例えば、ネットでバズってこれまでのフォロワー数が1000人だったのが、1秒後に100人増えて1100人になったとします。そして2秒後には1200人になった。 すると、そのまま100人ずつ増えていくんじゃないかと思いますよね。でも、200人、400人、800人と掛け算で増えていくかもしれない。直線で進んでいくものと、倍々で進んでいくものでは進み方が違います。
例えば人気度の伸び方を「t」と「t2」の2つで比べると、この「2(2乗)」になるのが急成長の条件なんです。未来予測で2乗が出てくると、とんでもないことになります。さらにヤバいのが「2t」です。「t(t乗)」は時間のべき乗と言われていますが、いわゆる倍々ゲームです。 例えば「パンデミック(世界的大流行)」。その日、日本中の人間が全員感染症にかかったとしたら、その前日は半分の人しかかかっていません。その前の日は4分の1です。こうした倍々で進んでいくものが、感染症や金融の世界にはあるんです。
■「マルコフチェーン」とは何か ――だから、景気予測も数式で表せるということなんですね。それが「マルコフチェーン」という考え方とのことですが、これはなんでしょうか? 西成:マルコフチェーンも微分と同じ概念だと思ってください。例えば、昨年と今と、その前の年も含めて2年間景気が上がったのが続いたから、3年目はどうなるかというのがこれまでのデータからわかりますよね。 ある期間の中で過去のデータを見て、将来どうなるかを予測するのがマルコフチェーンという考え方です。微分のもうちょっと大雑把なものです。ただ、実際にはいろいろな要素(政治状況や気候など)があるので、それを入れないとダメです。でも〝ベースとなるデータは過去をあまり引きずらない〞と仮定します。
堀江:過去を引きずらない、というのが、僕にはピンとこないですけどね。 西成: もちろん少し前の過去は引きずるけど、それ以上前は引きずらない。あまり過去を考えず、今の状態だけから未来のことを考えよう、というのがマルコフチェーンの考え方なんです。その意味でこの式はいちばんシンプルな式です。
堀江 貴文 :実業家