前・立教大監督→現役復帰の上野裕一郎が「日本最速の39歳」になっていた…「おじさんに負けるなよ」若い選手に発破をかけながら記録更新に挑む
もう「練習、すぐレース」とはいかない
39歳の体は、「練習して、すぐにレースを走ろう」とは容易にいかない。練習やレースに臨む前にすべきことが以前より増えた。 「昔はやったことがないようなことを今、しています。例えば、朝起きて、動き作りをしてから練習に臨んだり。そうしないと怪我をしてしまう。以前は筋肉系の怪我はほとんどなかったんですけど、24年は1、2週間休まないといけない怪我が3回もあったんです。筋肉の柔軟性がなくなってきているので、使える筋肉を増やすために補強トレーニングとか、いろいろやっています。ただ、それを教えてくれる人がいないので、立教の学生に教えていたことを取り入れて、それでなんとか生きながらえている感じです」 疲労を取り、怪我を予防するためにケアの時間を増やし、トレーナーに診てもらったり、自分でケアする時間が昔よりも3、4倍に増えたという。 「昔は最低限のことをやっていれば走れたんですけどね(笑)」
変わったもの、変わらないもの
すべきことは増えたが、どこか現役生活を楽しんでいるようにも見える。 現役に戻り、体こそ変化を感じているが、トラックのスタートラインに立つと変わらないものがあることも感じた。 「誰にも負けたくない気持ちは昔と変わらないですね。レースでは、僕よりも若い子ばかりで。同じ組に高校生の子もいたりして、もう20歳以上も違うわけです。先日も濵口(大和・佐久長聖)君とラスト1200mまで一緒にいたのに、最終的に7秒も離されてしまいました(苦笑)。 実業団でも入社1、2年目の子は勢いがあるので、なかなか勝てないんですけど、逆にこの年齢の人に負けているようじゃ話にならないという気持ちになってほしいなと思っていますし、『おじさんに負けるなよ』とよくみんなに言っています(笑)」
しんどいとは思わない
自らを「おじさん」と称し、若い選手に発破をかけてきた。ストイックに競技に取り組んでいるが、世間的にはいまだに否定的な見方をする人もいる。それでも自分を追い込んで結果を出してきたが、しんどいと思うことはなかったのだろうか。 「しんどいとは思いませんでした。そう思うようなら、監督をクビになった時、陸上の道に進んでいないと思います。僕は陸上が好きですし、自分以上にもっと苦労している人がたくさんいる。それに比べたら陸上をこの年齢までやらせてもらえていますし、そういう環境を与えていただいたのは、すごく幸せなことなので、しんどいとか苦労とか思ったことはないですね」
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