角田裕毅、F1オーストリアGPは14位。リカルドと分けた戦略がうまくいかず……「でも、チームとして理解が深まった」
RBの角田裕毅は、F1オーストリアGPの決勝レースを14位でフィニッシュした。角田はペースが上がらなかった理由を検証しなければいけないと語ったが、チームによれば、戦略的にうまくいかない部分もあったという。 【リザルト】F1第11戦オーストリアGP:決勝結果 角田は新品のミディアムタイヤを履き、14番グリッドからレースをスタートさせた。角田は着実に順位を上げ、チームメイトのダニエル・リカルドの後ろ13番手を走行。ダブルポイント獲得も不可能ではないように見えた。 そんな中リカルドが比較的早くタイヤ交換を行なう戦略を採る一方、角田は最初のスティントを引っ張る戦略を採った。しかしこれがうまくいかず、最終的にはリカルドが9位入賞を果たしたのに対し、14位でのフィニッシュとなった。 「レースは良い形でスタートしました」 角田はそうコメントを寄せた。 「スタート後は、アルピーヌ勢とダニエルの後ろにいました。でも、3スティント目までに大きく後れを取ってしまいました。ペースが落ちていたんですが、その理由を突き止めなければいけません」 「ダニエルは、今日のレースを通じて素晴らしい仕事をしてくれたので、最終的には良い結果を手にできました。でも、今後のレースに向けてチームとしてどのような方向に進むべきか、理解が深まりました。これは良いことだと思います」 なおチーフエンジニアのクラウディオ・バレストリは、今回リカルドと角田の戦略を分けたことについて、次のように語った。 「他のほとんどのマシンと同様に、今日のレースではミディアムタイヤでスタートすることを決めた。2周目を終えた時点でダニエルが12番手、ユウキが13番手だった。この段階で、ふたりの戦略を分けることを決め、ダニエルをピットインさせた。最初のスティントでは、ユウキをステイアウトさせることにしたんだ」 そうバレストリは説明する。 「ダニエルにとっては、アンダーカットが非常にうまく機能した。そのため、アルピーヌの2台に対して、ポジションを上げることができたんだ。しかしハースの2台は、レース中ずっと彼の前に留まり続けた。最後の数周で、マグヌッセン(ケビン・マグヌッセン/ハース)にプレッシャーをかけたが、オーバーテイクすることができなかった。それでもダニエルは9位でフィニッシュし、貴重な2ポイントを獲得した」 しかし角田が実行した戦略はうまくいかなかった。 「ユウキにとっては、違うレースになった。少し難しいレースになったんだ」 「最初のスティントはミディアムタイヤで長く走り、ペースも前にいる同じような戦略の人たちと同等だった。ただ、最後のスティントが短かったため、アドバンテージを最大限に発揮できず、14位で終わった」 「複雑な気持ちだが、まだポジティブだ。来週のイギリスでのレースに気持ちを切り替え、さらに改善して、より重要なポイントを獲得できるようにするつもりだ」
田中 健一