JR「みどりの窓口」設置駅数の知られざる真実 サービス低下?過去の時刻表を調査してわかった環境の変化
座席や寝台の指定が必要な列車のチケットの販売窓口としてJRグループの前身である国鉄が設置したのが「みどりの窓口」だ。 【写真100枚を一挙公開】只見線を走るキハ58系の急行「奥只見」から、登場時のキハ183系「おおぞら」まで、南正時氏撮影「国鉄が生んだ気動車」の数々。 ■過去から現在までの時刻表を使って調べてみた この窓口が最初に設置されたのは1965年9月24日。来年9月で誕生60年の節目を迎える。最近はオペレーターとリモートで対話する形式の販売機やすべてを自分で操作する券売機に切り替わったり、係員が対応する窓口のある駅でも窓口の数を減らしたりと変化が進んでいる。
時刻表の索引地図には、全国のみどりの窓口を設置している駅が掲載されている。そこで、1965年から現在までのみどりの窓口の設置駅を過去の時刻表で調査。販売駅数や販売スタイルの変遷を調べてみた。 調査に使ったのは1965年、1975年、1985年、1995年、2005年、2015年、2024年のそれぞれ11月号の時刻表。1965年は索引地図に設置駅が掲載されていなかったため特集ページに掲載されていた情報を、2024年はオペレーター対応販売機と係員対応窓口の表記に差がなかったので、各社のホームページもチェックした。
また、係員対応窓口、オペレーター販売機、自販機の3つがそろう駅と、係員対応窓口、自販機の2つがそろう駅は「係員対応窓口」として、オペレーター販売機、自販機の2つがそろう駅は「オペレーター販売機」としてカウント。川越や北朝霞などの係員対応窓口が通年営業ではないオペレーター販売機のある駅は「オペレーター販売機」としてカウントした。個人で時刻表を見ながらカウントしたものなので、「ふーん、そうなっているんだ」程度の感覚で見ていただけるとありがたい。
■みどりの窓口設置数のピークは2005年 まずは、JR、国鉄の駅のみどり窓口の数から。 1965年 152 1975年 408 1985年 521 1995年 1417 2005年 1614(係員対応窓口1610 自販機4) 2015年 1582(係員対応窓口1434 自販機148) 2024年 1354(係員対応窓口715 オペレーター販売機321 自販機318) 1985年から1995年の10年で一気に896駅増加した。これは1987年に国鉄からJRへ移行した効果だろう。今のJRの係員しか知らない人は信じられないかもしれないが、国鉄時代は職人気質の係員が多く列車を安全に運行するということに関してはプロフェッショナルだけど……という係員が結構いらっしゃった。そのためか、JRになってからは改札口で切符にハサミを入れる各社の係員が「おはようございます」とか「ご利用ありがとうございます」と声をかけるなど、サービスの向上に努めた。その一環として、みどりの窓口を増やし、最寄りのJRの駅で気軽に指定券が買えるという環境を整えたのだろう。