パナソニック エナジー、ルシッドの新型SUV「ルシッド・グラビティ」に最新世代車載用リチウムイオン電池採用
パナソニック エナジーは1月7日、米EV(電気自動車)メーカーのルシッド(Lucid Group, Inc) が生産を開始した新型電動SUV「ルシッド・グラビティ・グランド・ツーリング」にパナソニック エナジーの車載用円筒形リチウムイオン電池が搭載されたと発表した。 「ルシッド・グラビティ・グランド・ツーリング」の価格は9万4900米ドルからで、2024年12月よりアリゾナ州の工場で生産開始。続いて、2025年末には価格7万9900米ドルからの「ルシッド・グラビティ・ツーリング」の発売が予定されている。 両モデルともパナソニック エナジーの2170セルが搭載される予定で、この2170セルは現在日本で生産されているが、将来的には現在建設中のパナソニック エナジーのカンザス工場で生産される計画。 ルシッド・グラビティは、2列シート5名乗車仕様、3列シート7名乗車仕様をラインアップする中型SUV。パナソニック エナジーの最新世代の円筒形リチウムイオン電池「2170」セルを採用し、セルのエネルギー密度は800Wh/L超と業界最高水準とし、競合他社より最大40%小型化されたコンパクトなバッテリパックでありながら、EPA(米国環境保護庁)推定で最大約450マイル(約724km)の航続距離を実現する。 ルシッド・グラビティ・グランド・ツーリングの走行性能では、828馬力の出力を発生し、0-60マイル(約96km)加速3.5秒未満で加速できるスポーツカーのような走行性能を誇り、高性能な最新世代2170セルを量産に採用する初めての車両の1つとしている。 パナソニック エナジーとルシッドのパートナーシップは、2022年に車載用円筒形リチウムイオン電池の供給契約を締結。パナソニック エナジーの電池は、「Lucid Air Pure」に搭載された実績により、後続の「ルシッド・グラビティ」にも電池が採用された。 ルシッドの CEO 兼 CTO の Peter Rawlinson氏は、「ルシッド・グラビティは、一切妥協のない、革新的なSUVです。フルサイズSUVの広い室内空間、スポーツカーのような性能と極上の快適性、さらに EPA推定最大約450マイルの航続距離という、これまで実現不可能だった特性を一つの形にしました。私たちは、先進的な技術とパナソニック エナジーとの協業を通じて、他社と比較して驚くほど小型のバッテリパックを実現しました。これは貴重な資源を守るうえで非常に重要な要素です。持続可能なモビリティをすべての人々のためにさらに推進していく中で、パナソニック エナジーとの協業が今後も続くことを楽しみにしています」と述べている。 パナソニック エナジー社長の只信一生氏は「この度は、ルシッドとの再びの協業を大変嬉しく思っています。高性能なパナソニック エナジーのセルとルシッドの技術を組み合わせることにより、当社の円筒形リチウムイオン電池の特性を最大限に引き出すことができ、その結果、これまでにない性能と航続距離を持つ電動SUVが実現しました。これは、EV業界における新たなスタンダードの確立と、『幸せの追求と持続可能な環境が矛盾なく調和した社会の実現』を目指す当社の継続的な取り組みを示すものです」と話している。
Car Watch,編集部:椿山和雄