“このままでは日本人は滅びる” ファーストリテイリング柳井社長が語る危機感…世界から見て“年収200万円台の国”日本はどう生き残る?
■「おもてなし」にも変革の時?キーワードは“少数精鋭”
城間記者 「日本の良さとか強みをよく理解してくれる人材を受け入れて一緒に経済社会を作っていかないといけないというメッセージかなと私は受け止めたんですが、一方で、日本人はどうしていけばいいのかなという点は気になったんですね」 片山記者 「柳井さんの提言は、“少数精鋭で働く”という考え方にシフトチェンジしていって、日本の労働生産性を上げようというものでした」 ◇
柳井理事長 「少数精鋭で仕事するということを覚えないと日本人は滅びるんじゃないですか」 ──人口が減っているなかで 柳井理事長 「人口が減っているということもだし、今の労働生産性が、皆さん一生懸命やっているんだけど低いじゃないですか。労働生産性が高くなるようなことをやっていかないと、今からの日本はやっていけないんじゃないですかね。どんどん人口が減っていったら、公共サービスで受けられるもの、あるいは民間でサービスを受けられるものが受けられなくなる可能性がありますよね」 ◇
城間記者 「日本生産性本部が公表している労働生産性の国際比較によると、2022年のデータで日本の1人あたりの労働生産性は8万5329ドルで、OECD加盟38か国中31位。ポルトガルやハンガリーと同水準で、順位も1970年以降で最も低い水準に落ち込んでいるんですね」 片山記者 「柳井さんがおっしゃるには、日本は人海戦術で人を十分以上に使いすぎていたと。だから日本ほどサービスのいい国はない。しかもサービスはタダだと思っている。でも、本当はサービスというのはお金がかかることなので、会社経営としては本心からのホスピタリティを持った少数精鋭でやらなければならない。つまり安い賃金で大勢でまったりではなくて、高い賃金で少人数でそれに見合う仕事をしろと、そういうことかなと思いました」 城間記者 「海外に行くとチップを払う文化があるから、日本はサービスを無料で享受できるんだなと感じるんですけど、私も最近複数の企業のトップから同じ言葉を聞いたことがあります。日本はおもてなし、サービスの国だと。その適切な価値を価格に乗せていかないといけない時代だという文脈だったんですが」 片山記者 「日本の安全とかホスピタリティといった特性を少数精鋭で作れるようにして、その上で外国人が住んでみたいと思えるような日本社会をつくれと。外国人と張り合うのではなくて、日本人らしさ全開で共生すればいいのかもしれません」