「求められるスキルも変化している」。リスキリングを通じて、新しいチャンスを手にする人たちがイノベーションを生み出す
一人ひとりが活躍し、自己実現ができる社会へ
―キャリア採用やリスキリングによって一人ひとりが活躍できる環境を社会全体で創っていくうえでのポイントを改めて教えてください。 ■神野さん■ 事業環境が急激に変化する予測困難な時代において、企業がダイバーシティ経営を行い、価値創造につなげていくためには、「多様な人材」をただ企業内に増やすだけではなく、一人一人にしっかり活躍していただくための「インクルーシブ」な組織風土を醸成することが重要です。誰もが職場で受け入れられ、自分らしさを発揮できている、こういった環境を経営層・人事・現場管理職がしっかりと連携してつくっていくことが必要だと感じています。 ▼西村さん▼ 日本社会は今後、キャリアや人生設計の複線化が当たり前となり、多様な人材がそれぞれの持ち場で活躍できる社会へと転換していくと思われます。 実際に、特に若い世代のキャリア自律への関心の高まりを受けて、キャリアプランの作成を支援する研修の導入、メンター制度やキャリア面談制度の拡充、希望の仕事・ポジションに応募できる公募制度の導入といった、従業員のキャリア自律をサポートする取組みを実施する企業が多くなりました。 このように、会社も従業員一人ひとりと丁寧に向き合い、それぞれの能力を発揮できる環境を整えていくことで、個人と会社には互いに選び選ばれる関係が構築されるようになると思います。 ●小澤さん● 個人のキャリア形成においては、自分は何をしたいのか(Will)、何ができるのか(Can)、そのために何が必要なのか(Must)、このWill-Can-Mustの視点から戦略をしっかり立てることがますます重要になってきます。リスキリングは自分に足りていない部分を補うための手段で、まさに未来の自分への投資とも言えますが、逆に言えば、回収見込みのない投資に手を出してしまっては意味がありません。つまり、戦略なくして投資なし、投資なくして成功なし、ゆえに戦略なくして成功なし。キャリアの自己実現に向けては、戦略に沿ってリスキリングを実行していくことが最も大事なことだと思います。 先ほどご紹介した経済産業省が実施する「リスキリングによるキャリアアップ支援事業」のキャッチコピーは「新しいスキルで、新しいチャンスを」です。 新しい環境に目を向けたい、スキルを身に付けてキャリアアップに挑戦したい、という意欲のある方々に是非とも本事業をご活用いただきたいと考えています。 ―本日は、貴重なお話をありがとうございました。 参考:公式ウェブサイト「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」
オトナサローネ編集部
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