「最新!ボケない食習慣」認知症予防は食事から、WHOのお墨付き“地中海食”のススメ
食事を見直せば軽度からの改善も!
「脳にゴミをためなければ、アルツハイマー型認知症の発症はかなり抑えられます。すでに老人斑が出現していても、増え続けなければ進行を食い止めることや改善にもつながっていきます」 古和先生が、認知症を遠ざけるためにすすめるのは、アルツハイマー型認知症の原因の大本であるアミロイドβをためないような食習慣。食生活の改善は誰もが始めやすい上に、有効な手段だと話す。 「栄養バランスのとれた食事のサポートを受けるようになり症状が改善、診察室を訪れる際の表情が明るくなったという軽度認知障害の方もいます。今後の進行速度も、ゆっくりになるのではと見込んでいます」 とはいえ、一気に食事を変えるのは、さまざまな面で負担が大きい。 「認知症が時間をかけて忍び寄ってくるのに対し、ロングスパンで予防をしていく必要があります。最初は、週に1度でいいので“今日は脳の健康を意識した食事にしよう”と心がけることから始めてもいいと思います。無理せず、続けることが大切です」 また、アルツハイマー型認知症を遠ざける食生活は、高血圧や高血糖といった動脈硬化を引き起こす血管危険因子をも避けられるため、脳血管性認知症の発症リスクも軽減できる。 「血圧や血糖値を食事でコントロールすることは、生活習慣病の予防にも。糖尿病になるとアルツハイマー型認知症の発症リスクは2倍になるといわれていますが、それも防ぐことができます。 脳が健全に働き続けられるように食事を変えることで、さまざまな面から認知症を遠ざけるアプローチができるのです」
ボケない食事習慣1「お酒を飲むなら赤ワイン」
まず、古和先生が意識的にとってほしいと提案するのはポリフェノール。老化を抑え、脳の機能を維持するために欠かせない抗酸化作用にすぐれている点でもメリットが大きいが、何より脳のゴミを排出するのに大事な役割を果たす。 「脳のシミのもとになるアミロイドβは、たまると塊になりますが、ポリフェノールはそれを解きほぐして柔らかくし、脳の外へ出しやすくしてくれます」 ポリフェノールを含む食品の中でも特に赤ワインは優秀。アミロイドβを固まりにくくさせるミリセチンと脳の神経細胞の働きを調整し長持ちさせるレスベラトロールという2つのポリフェノールが含まれている。 「海外のデータですが、赤ワインを毎日3~4杯飲む人のほうが飲まない人よりも発症リスクが5分の1になるという調査結果もあります。 ただし、飲みすぎは生活習慣病のリスクを高めますし、酔って転倒し、頭を打ってしまっては、逆に認知症を引き寄せることに。飲むなら無理のない範囲を心がけましょう」 ボケない食事習慣2「朝晩に緑茶を飲む」 「緑茶に含まれるポリフェノールのカテキンには、アミロイドβが固まるのを抑え、認知機能の改善に効果があることが明らかになっています」 また、カテキンのもとになるテアニンというアミノ酸には、老人斑が持つ毒から脳の神経細胞を守る力があることも判明。 「緑茶を1日2杯以上飲む人は、ほぼ飲まない人に比べて認知機能が下がりにくく、認知症の発症リスクが30%低下するなど、緑茶を飲む習慣が発症率を下げることは複数の研究でわかってきました」 とはいえ、カフェインが多く含まれる緑茶。1日数杯程度で楽しむのがベターだ。 ボケない食事習慣3「週1回はスパイスたっぷりカレーを」 食卓の定番メニューでも認知症予防が可能。 「カレーをよく食べる人ほど認知症になりづらいということがわかってきています」 カレーに使われるスパイスのターメリック(ウコン)には、クルクミンというポリフェノールが含まれるが、古和先生いわく、これが脳の健康に効果を発揮。 「クルクミンは、アミロイドβをたまりにくくするだけでなく、固まり始めているところをほぐしてくれます。動物実験の段階ですが、老人斑が減少するという好影響も確認されています」 カレーが国民食のインドの70~80歳代は、アメリカの同年代に比べて、アルツハイマー型認知症の発症率が約4分の1というデータも。 でも、スパイスがブレンドされた状態で売られていることの多い“日本式カレー”の効果は? 「近年の研究で、日本のカレーでも効果があることがわかりました。長期的かつ頻繁に食べることが大切で、週1回食べることを1年以上続けると認知機能の低下のリスクが約30%も下がると確認されています。私も週1回はカレーを食べていますよ!」