優雅な宮中晩餐会の舞台裏 皇室と英王室、もてなしに共通の源流 天皇、皇后両陛下ご訪英同行記(4)
■贈り物のハンドバッグを持参して…
この日は晩餐会に先立ち、バッキンガム宮殿で午餐(昼食会)や、贈り物の交換なども行われた。
宮内庁によると、非公開で行われた午餐では、会場に丸テーブルが4つほど用意され、陛下と王妃、皇后さまと国王がそれぞれ同じテーブルにつかれたという。この際、国王から、上皇ご夫妻の近況について質問があり、皇后さまは、ご夫妻が国王との思い出を大切にされていることなどを伝えられたという。
贈り物の交換では、陛下から国王には輪島漆器が、皇后さまから王妃へは佐賀錦のハンドバッグが、それぞれ贈られた。王妃は早速、この日の晩餐会に、このハンドバッグを持参していた。
反対に、国王からは陛下に、英国の金細工職人が手掛けた金製と銀製のタンブラーなどが、王妃からは皇后さまに、お印の「ハマナス」などをあしらった扇子がそれぞれプレゼントされた。
この日、正午から深夜まで続いた歓迎の行事。宮内庁幹部によると、両陛下は、こうした英王室の温かな心遣いに感謝し、特に、国王ががんの治療を続けている中で、対応してくれたことをありがたく思われている様子だったという。(ロンドン 緒方優子)