<改正地方自治法>「総合区」と「都構想」は何が違う?
「総合区」では行政区長が一般職から特別職に
一方、総務省が打ち出した総合区構想は、行政区の区長を一般職から特別職にすることが謳われています。一般職と特別職の大きな違いは、就任するまでの手続きです。特別職に就くには、議会の承認になります。現在、副知事や副市長といった特別職は議会の承認がないと就任できません。 「従来の行政区長は、市長の指示を忠実にこなす職員でした。総合区長になると、市長から権限を包括的に委任されます。総合区長は住民ニーズを汲み取って、自分の判断で行政運営ができます。それにより、住民自治が強化されることが期待されています」(総務省自治行政局行政課) 総合区長は行政区長よりも責任は重大になりますが、より大きな権限を与えられるというわけです。
大阪だけではない「総合区」議論
総務省の地方自治法改正案に対して、日本維新の会は総合区長の公選制規定を追加する修正案を示しました。大阪都がいいのか? 総合区を導入する方がいいのか? 大阪市民には判断が求められています。 しかし、これらは一部の地域の話ではありません。いまや政令指定市に居住する人口は2700万人を超えています。5人に1人が政令指定都市の住民なのです。通勤・通学している人まで含めれば、その数はさらに増えるでしょう。 今後は同様の議論が各地で起きることが予想されます。政令指定都市をどうするのか?といった議論は、決して大阪だけの問題ではないのです。 (小川裕夫=ライター)