ダイヤ改正号の部数は今も約6万部…来年で100周年!『JTB時刻表』が毎月刊行される意外すぎる訳
時刻データは、すべての数字を編集部で手打ち入力!……紙の時刻表はまだまだ現役
『JTB時刻表』が’25年3月で100周年を迎える。 『JTB時刻表』は1925年に鉄道省運輸局編纂『汽車時間表』として創刊されており、その歴史は長く、またJRのダイヤ改正となる3月号は毎年約6万部を発行するなど、発行部数でもその存在感を見せつけている。 【100年前の時刻表って…】すごい! 山手線が…!? 電車の時刻はインターネットで調べるのが主流となって久しいが、それでも多くの利用者がいる紙の時刻表。その魅力や役割はどんなところにあるのか。現編集長の梶原美礼氏に時刻表の現在について聞いた。 「現在、紙の時刻表は趣味性が高くなっていますが、その一方で、例えばコロナ禍の『Go To トラベル』キャンペーンの際など、旅行需要が高まると売り上げも比例します。 やっぱり、旅行に行くときにも、皆さんまだまだ使ってくださるんだなと感じています」(梶原氏・以下同) 1925年の創刊で欠かさずに刊行を続けてきた同誌。戦時下では特急・急行列車の大幅削減や紙不足によりたった1枚になったこともあったが、これまで休刊になることもなく、近年ではコロナ禍も乗り越えてまもなく100周年を迎える。 ◆「私たち編集部は目的地までの乗り継ぎは、アプリより時刻表で調べるほうが早いんですよ」 そこにはやはり根強いファンがいることはもちろんだが、紙ならではの“強み”もあると梶原編集長は言う。 「一番の強みは“ひとつの誌面”で列車の時刻が一覧になっていること。 私たち編集部は目的地までの乗り継ぎは、アプリより時刻表で調べるほうが早いんですよ。もうどこを開けば調べられるか、手が覚えていますから(笑)。 もちろん、インターネットで『ここからここまで』と検索すれば一発で時刻が出てくるのはありがたいことです。ただ、その次の時刻や前の時刻を調べたいときはもう1アクション必要になります。 その点、紙の時刻表なら前後の時間が横に記載してあるので一覧ですぐ見られますし、読者ターゲットの『やっぱり紙で見たいんだよね』と言われる方の大半がその点を重要視してくださっていると思います。 乗り継ぎの面でも、紙の時刻表で見ると乗り継げるポイントがわかりやすく、その時刻に合わせた並べ方をするのが編集の腕の見せどころ。お客様にどれだけスムーズに乗り継ぎをしてもらえるかという点は常に意識しています」