【飯塚オート(ナイター)GⅠ開設記念レース】荒尾聡 特別インタビュー/全ては子どもたちの憧れのために/12月13日開幕
「〝勝負駆け〟の局面は大好き」
――先頭を走っていて、後ろからの攻めは分かるものですか? 「伊勢崎と川口は大型ビジョンがあるけど、基本的には音と影で判断します。完璧なコース取りができたから、あのメンバーの攻勢をしのげたんだと思いますよ」 ――走っている時にビジョンまで確認できる視野と動体視力にはびっくりです。 「見ている選手は結構多いですよ。後ろがどういう隊形なのか、何人いるのか、誰が来ているのかは確認しておかないと。それでもあの優勝戦は全く余裕はなかったです」 ――最近だと10月の飯塚GⅡオーバルチャンピオンカップで惜しくも準V。中村雅人選手に抜かれました。 「雅人がうまかったし、走路状態に応じたセッティングができなかった自分も失敗していた。ぬれた走路がどこまで乾くかを読み切れなかった判断ミスですね。もう少し乾いた走路ならチャンスがあったかも…」 ――勝っても負けても反省はするタイプですか。 「優勝のVTRは見ても1回だけ。2、3着のレースは何が駄目だったかなぁと思って何度も見ますね。今後に生かすための反省。レースでも結構、追い詰められた状況の方が好きなんですよ。勝負駆けは大好きです」 ――プレッシャーに強くないと一流にはなれないですからねぇ。 「でも、ボートレースの池田浩二選手に『勝負駆けの場面は準備ができていない証拠。先にもっと余裕を持っておけよ』と言われたことがあって、確かにそれはそうだと思いましたね」
プレゼントは子ども限定
――オートレースに懸ける思いはありますか。 「自分が子どものころ、『中村政信』(1990年代の飯塚のエース。レース中の事故で殉職)という選手を見てオートレーサーになりたいと思ったように、『荒尾みたいになりたい』という子どもが出てきてくれるのが一番うれしい。だから場内での投げ込みのプレゼントも子どもにしか渡しません。つなぎやバイクのデザインにもこだわるし、格好いいなと思われるポジションを作るために成績を残そうと思っています」 ――この開設記念も、今年最後のGⅠですし、好成績を期待したいです。 「今年はなかなか地元でいいところを見せられていないんですよ。自分は飯塚に育ててもらって、ファンがどれだけ熱いかも分かっている。恩返しのつもりでしっかりと走りたい」